2004年1月28日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
 このところ色々な腹菌類のグレバの内部にある菌糸組織を覗いているが、今朝は昨年1月18日に千葉県一宮町で採取したヒメツチグリ属(Geastrum)(a)をみた。採取から一年以上経過しているが、この仲間は採取時と姿形はほとんど変わっていない。
 頂部の穴から柄付き針を差し入れてグレバ内部の繊維状のものを取り出した。水でマウントしたときの色は茶褐色だ。直ちにコットンブルーを注いでライターであぶった。全体が鮮やかに青色に変わった(b)。繊維組織の種類は弾糸(capillitium)である。大部分はやや厚膜で分枝はどこにも見られない(b, c)。
 しかしよく見ていくとややタイプの違った太めで内容物のある組織(d)もみられ、これらは所々に分枝がある。多量に見られるcapillitiumの方にもごくわずかではあるが分枝しているものも見つかった(e)。paracapillitiumは全く見られない。したがってクランプを持つ菌糸はないだろう。これはGeastrumの特徴でもあるようだ(cf: 雑記2003.1.20)。

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