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10月22日の雑記でとりあげたアセタケ属を調べてみた。柄は上下同大で下方でやや太くなるが基部に膨らみはない。胞子は平滑、楕円形で心持ちソラマメ形をしたものもある。 縁シスチジアは棍棒状から中央部がやや膨らんだ円柱状をしている(a, b)。側シスチジアは無く、ひだ実質は並列型(c)。大半の担子器基部にはクランプがある(d)。傘表皮はクランプのある細長い菌糸が平行に走っている(e)。柄上部の表皮には、所々にシスチジア様のものが束になっている(f)。なかには独立した柄シスチジアともいえる組織もみられる。 アセタケ属の同定は面倒だ。ヒダ実質や傘表皮はもちろん、柄の表皮まで細かくチェックしなくてはならない。その傘に関しては頂部、中間部、縁部を、柄についても頂部、中間部、下部と検鏡する部分が多い。それらの写真は省略してある。オオキヌハダトマヤタケのようだ。 |
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同じく、10月22日の雑記でとりあげたキツネノカラカサ属である。胞子はこの仲間によくあるエジプト壁画に描かれた人物の目のような形をしている。偽アミロイド(g)。ヒダ実質部は錯綜気味の並列型(h)。縁シスチジアはとても大きな円柱状(i, j)。側シスチジアは無く、担子器基部にはクランプがあったりなかったりである(k)。傘表皮は菌糸が平行に走っているが、ところどころで立ち上がっている(l)。いくつかの図鑑にあたってみたが、該当種は見つからなかった。 このきのこなどは、顕微鏡を使わないで同定する現場では、きっとキツネノカラカサとしてリストアップされてしまうのだろう。 |
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