2005年11月25日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 先月28日に栃木県栗山村でクリタケを採取したが、ひとつだけ乾燥して残してあった。遠からず検鏡するつもりで忘れていた。何度も見ているので、軽く考えていたからだろう。
 乾燥標本から切り出したヒダはやはり、生標本からのヒダとは比較にならない。撮影などが目的の場合は、なんといっても生標本だろう。しかし、並列型をなすヒダ実質や子実層の様子は乾燥標本からでもよくわかる(a)。クリソシスチジアが見えている(a, b)。
 子実層には側シスチジア(c)と縁シスチジア(e, f)があり、側シスチジアの頂部には細い突起がある。側シスチジアには、クリソシスチジアとそうでないものがある。クリソシスチジアはフロキシンでは染まらない。他方はピンクに染まり(d)、特に濃く染まる内容物をもつ(c, d)。
 大部分の担子器では、基部にクランプがみられるが(g〜i)、そうでないものもある(j)。乾燥標本からの傘上表皮はあまり明瞭に捕らえられなかった(k)。組織の多くの部分にはクランプが見られる(l)。なお、クリタケの胞子紋、胞子、生標本からの検鏡写真は雑記2004.11.8にある。このときは、担子器の基部が明瞭にわかる写真は掲載しなかった。

日( )
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