2006年3月21日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
 さいたま市見沼区の公園では相変わらずきのこはほとんど見られないが、あちこちに樹液酵母がみられる(a, b)。浸みだした樹液が野生の酵母菌によって発酵し、そこにアカカビ(Fusariumの仲間の糸状不完全菌類)が繁殖したもの、それが橙色の樹液酵母なのだ、と2000年頃に聞いたような気がする。毎年公園や山の林道脇などでよくみるが、ベトベトしてあまり気持ちのよいものではない。そのため、これまで一度も顕微鏡で覗いたことはなかった。
 ネバネバの一部をつまみだして覗いてみた。細長い菌糸に混じって、バナナ型の分生子が多数みえる(c)。透明で目が疲れるので、バカの一つ覚えでフロキシンを加えた。糸状菌の部分もよく染まる(d)。発芽している分生子があちこちに多数みられた(e)。樹液酵母と呼ばれているので、顕微鏡で覗くと単細胞の酵母が多数みえるのだとばかり思いこんでいた。酵母らしきものもみえるが、赤橙色の主はアカカビの仲間ゆえ、糸状菌糸と分生子しかみえなくても当然なのだろう。きのこがないので、今朝は樹液酵母を覗いてみた。

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