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先日千葉県君津市の山で、落ち葉をどけてカシタケを探していると、小さな赤い盤菌を見つけた(a)。5年前にやはり千葉県の長柄町で出会って以来のことだった(雑記2002.2.26)。 2002年に長柄町で出会ったものと同じく、径0.6〜0.8mm、高さ0.5〜0.7mmほどで、托外皮には針のような毛が密生している(b)。乾燥すると毛が外皮に貼り付いて様子が変わる(c)。子実体の下には白色〜淡橙色の菌糸マットが拡がるが、濡れると透明になって見えにくい。 縦に切ってみると、白色で厚い托実質の上に子実層がのっている(d)。プレパラートを作ってみた(e)。メルツァー液を加えると全体が褐色になってしまった(f)。倍率を上げて子実層を見ると、子嚢の先端が青色を呈しているのが分かる。油浸100倍にした(i)。 メルツァー試薬でマウントしたままでは、全体が褐色になってしまうので、水洗いして再度子実層をみた(h)。油浸100倍にすると、子嚢の頂孔が鮮やかな青色に染まっているのがわかる(j)。水だけで封入してみた頂孔とは大違いだ(k)。胞子には隔壁が3つみられる。 托外皮から出ている針は、細い菌糸が束になっているようだ(l)。Arachnopeziza aurelia らしい。arachno-は「クモの巣状の」という意味だから、クモノスチャワンタケといったところだろうか。ひょっとして既に和名がついているのかもしれないが、今は調べる気力をほとんど失っている。 |
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