2007年4月26日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(a')
(a')
(b')
(b')
(c')
(c')
(d')
(d')
(e')
(e')
(f')
(f')
 顕微鏡を使ったところで同定には全く役立たない例を、具体的に示してみた。
 去る4月21日に川崎市の緑地で採集したイッポンシメジ科のきのこである。いわゆるハルシメジ(広義)であるが、上の段はツツジ(?)の生け垣下に出たもの(a〜f)、下の段はウメの樹下に出たものである(a'〜f')。前者は小形でやや貧相、ウメ樹下のものは大型でしっかりしている。
 それぞれ、対応するパーツを上下に並べて配置した。胞子(b, b')、子実層托実質(c, c')、傘表皮を水で封入(d, d')、傘表皮をフロキシンで染めて3%KOHで封入(e, e')、フロキシンで染めた担子器(f, f')である。これらの上下の写真をいくら比べてみても、ほとんど差異は無い。
 試薬、たとえば、グアヤク脂を傘肉や柄などにかけて反応をみれば、違いがあるのかもしれない(雑記2006.4.27)。しかし、顕微鏡でみる限り、ほとんど違いを読みとることはできない。要するに、この2種の区別のためであれば、顕微鏡観察は無駄といえる。イッポンシメジ科のきのこではかなりの頻度で起こる事例なので、バカバカしさを承知でアップした。

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