2007年4月29日()
 
胞子の計測 (1)
 
 ケシボウズ標本の胞子サイズを計測したのは、計測方法の洗い直しと基準作りが目的だった。計測した標本はおおよそ300袋、その標本袋から数個体を抽出しては、胞子を40個ずつ測定し記録した。だから、トータルでは2万個以上の胞子を計測したことになる。これらの計測値をもとに算出した平均値、中央値、標準偏差、Q比などを検討した。

 最初この作業をするにあたって、画面上のピクセル数をもとにサイズを計測するソフトを使うことを考えた。しかし、姿勢の判定や胞子刻紋のあるなしの両者で計測すること、等々を考慮すると、結局個別に手作業でやるしかないという結論に達した。

 計測にあたっては、まず写真を撮り、モノクロでプリントアウトする。次に、胞子の姿勢ごとに色分けをする。その各色毎に番号を付けて、そこにスケールをあてて記録していく。スケールは、対物ミクロメータを撮影・印刷して、それを厚手セロハンに転写して作った。番号をつけるのは、同じものをダブって計測せぬよう、漏れの無いようにするためだ。
 姿勢は、正面観、側面観、縦、横、・・・など。計測は、胞子表面の疣などの刻紋を含めない場合と、それを含めた場合にわける。さらに、担子柄と分離したときの残跡を含めた場合と、含めない場合に分ける。記入ミスを防ぐために、記録はカードに書いて、それをExcelに入力する(雑記2005.3.30)。単調で根気のいる膨大な作業だ。


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