2009年6月18日(木) |
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コケの間から小さな橙色のきのこが多数出ていた(a)。コケはコバノチョウチンゴケ、きのこはヒナノヒガサのようだ(b)。ハイゴケやコツボゴケなど多くの蘚類の間からでるようだが、スギゴケ類や葉状体苔類のゼニゴケの間からは出る姿はあまり見かけない。
ヒダは典型的な垂生だ(c)。この部分を見ていて、妙なことを思いついた。カサを輪切りにすること、さらに、ヒダの基部の柄にかかった部分で横断面を切り出して遊ぶことにした。それに先だって胞子を確認して、ヒダを一枚スライドグラスに寝かせて縁を見た。胞子は非アミロイドで(e)、ヒダの縁には薄膜のシスチジアがある(f)。
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(a) |
(b) |
(c) |
(d) |
(e) |
(f) |
(g) |
(h) |
(i) |
(j) |
(k) |
(l) |
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カサと柄の横断面を切り出す位置を決めた(g)。青色線の部分で横断面を切ると、リング状の部分(h)と突起のついた楕円形(i)が現れた。縁シスチジアも側シスチジアも同じような形をしている(k〜m)。カサにも柄にも、ヒダのシスチジアと似た形のシスチジアがある(n, o)。
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菌糸にはクランプがあるが、低倍率でみるとちょっとわかりにくい(p)。ヒナノヒガサを覗いて遊んだのは一年ぶりのことだ(雑記2008.6.10)。そういえば、放置して久しい「顕微鏡下の素顔」もヒナノヒガサのミクロの姿は載っていない。
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