2009年8月8日()
 
「奇妙なきのこ」の正体
 
 3週間ほど前にコナラの根元から菌塊状に出ていた「奇妙なきのこ」(雑記2009.7.15)が、すっかり成長していた(a〜f)。「奇妙なきのこ」として掲載した7月15日に、いわき市の吉田健二さんから、オオワライタケに間違いないと思うとの意見をいただいていた。
 結果的には吉田さんのご指摘通り、オオワライタケないしその近縁種に間違いなさそうだ。先の株も今回確認採取した株も、ともに(独)森林総研究の根田博士に送付した。先の若い塊状のきのこを送付したときに、Gymnopilus のようですとの見解をいただいている。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 念のために胞子紋をとり、ヒダやカサ表皮などを検鏡してみた。まだ十分成熟していないこともあって、胞子紋として落ちた胞子は少なかった。それでも、胞子の形や表面模様、シスチジアの形、カサ表皮の様子はオオワライタケを示唆している。
 なお、写真(j)は、ヒダを一枚スライドグラスに寝かせて、フロキシンを加え3%KOHで封入して、ヒダの縁をみたものだ。さらにこれを押しつぶすと、縁シスチジアの形状がよくわかる(k)。写真(l)はカサ表皮。広義のオオワライタケとして取り扱っておくことにした。

日( )
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