2009年11月28日(土) |
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房総や鹿島の海浜防風林では、松ぼっくりからニセマツカサシメジとマツカサキノコモドキが多数発生していた。関東地方では例年11〜12月頃には、この両者が同じように多数みられ、1〜2月になると、ニセマツカサシメジはすっかり姿を消して、マツカサキノコモドキだけになってしまう。ごくまれに、一つの松ぼっくりに両者が混生していることがある。
ひさしぶりにニセマツカサシメジ(a〜d)で遊んだ。最近は海辺で採取したきのこのプレパラートを作っていなかったので、砂粒とのバトルを忘れていた(雑記2005.11.13、同2005.11.12)。胞子と同じか若干大きめのミクロレベルの微細な砂粒に悩まされた。
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(a) |
(b) |
(c) |
(d) |
(e) |
(f) |
(g) |
(h) |
(i) |
(j) |
(k) |
(l) |
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胞子は小さくてほぼ透明だ。水で封入するとコントラストが低く目が疲れる(e)。メルツァー試薬で灰青色に変わり少しみやすくなる(f)。実体鏡下で砂粒を取り除いてから数枚のヒダを一緒に切り出した(g)。フロキシンで染めてもシスチジアの有無や形はよくわからない(h)。
ヒダを一枚スライドグラスに寝かせてフロキシンで染めた。縁には薄膜紡錘形のシスチジアが多数ある(i)。そのまま押しつぶすと、視野の中には多数のシスチジアやクランプを持った担子器があった(j, k)。カサ表皮をうまく撮影するのは難しい。今朝もまた失敗だ(l)。
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