| 2010年8月31日(火) 
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| 富士山で採取した Dermocybe (ササタケ属) のうち残りの一つを覗いてみた。現地では赤みをかなり感じたのだが、写真をみるとさほどでもない(a)。持ち帰ってからやや日数が経過しているせいか、全体が赤みを帯びた褐色となっている(b)。昨日のアカタケ(or 近縁種)同様に胞子紋はあまり落ちなかったので、落下胞子はごくわずかだ(c)。ヒダの一部を押しつぶしてフロキシンを加えた状態で再度胞子を撮影した(d)。ヒダ実質は並列型で(e)、シスチジアの類は見あたらない。 
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|  (a)
 |  (b)
 |  (c)
 |  (d)
 |  (e)
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|  (f)
 |  (g)
 |  (h)
 |  (i)
 |  (j)
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| ヒダを1枚KOHで封入すると赤褐色の汁がでたが(f, g)、昨日の Dermocybe のヒダと比較すると赤みが弱い。担子器の基部にも(h)、他の組織にもクランプがある(i)。カサ表皮の菌糸は昨日の Dermocybe のそれとほとんど同じだ。アカササタケかその近縁種のようだ。 一般に Dermocybe (ササタケ属) のきのこは、ヒダの断面が赤色を帯びたものが多く、KOHやアンモニアでヒダを封入するとたいてい、赤色〜弱赤褐色の汁がにじみ出す。色素のアントラキノンを含むためだという。でも、担子器やクランプなどの観察にはやはりフロキシンが必要だ。
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