| 2010年9月2日(木) 
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| 先週富士山のお中道近くで、日射の強い溶岩帯の窪みにアミハナイグチが出ていた(a, b)。周辺には小さな灌木が若干あるが、樹林帯からは50m以上離れている。まるで誰かがいたずらをして溶岩の間にきのこを埋め込んだかのような印象だった。樹林帯には多数でていた(c)。 溶岩帯のきのこと、樹林帯のコケの間から出ていたきのこを計5〜6個持ち帰った。カバーグラスに胞子紋をとって、その後冷蔵庫に入れたまま放置してあった。今朝袋を開いてみると、内側面には到る処にウジ虫が這い回っていた。きのこは崩れ始めてヒダの間には多数のウジ虫が蠢いていた。比較的ましなものを2つだけ残して他は捨てた(d, e)。胞子紋にはたっぷり胞子が落ちていたが(f)、ちょっと触れただけでもきのこは簡単に崩れてしまう。腐敗臭もすさまじい。
 
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|  (a)
 |  (b)
 |  (c)
 |  (d)
 |  (e)
 |  (f)
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|  (g)
 |  (h)
 |  (i)
 |  (j)
 |  (k)
 |  (l)
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| 管孔部の縁を少し切り取って縁をみるとシスチジアが見えたが、コントラストが弱いので、フロキシンで染めた(g)。管孔部の一小片をピスに挟んで横断面を切り出した(雑記2010.9.1)。多数の虫を一緒に切ってしまった。一つずつ取り除いたが、管孔部実質はすっかり崩れている(h, i)。 次いでヒダの一部をつまみ出した。最初の仕事は虫を取り除くことだった。その後に組織をフロキシンで染めKOHで封入してから押しつぶした。シスチジアは縁にも側にもあり、大きさはまちまちだった。いつの間にやら、テーブル上には到る処にウジ虫が這い回っていた。
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