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ヒダをもったきのこのシスチジアやヒダ実質を確認するのは簡単だ。縁シスチジアの有無であれば、ヒダを一枚スライドグラスに寝かせて、縁をみればよい。狭い幅に縁を切り出してみてもよい。側シスチジアの有無と形を確認するのであれば、ヒダの中程から数ミリ四方の小片を切り出して押しつぶせばよい(雑記2009.4.1)。また、子実層托実質を確認するにはヒダの横断面を切り出せばよい。これには実体鏡を使うなり、簡易ミクロトームなどを使えば楽だ。 ところがイグチの場合はちょっと事情が異なる。側シスチジアの有無と形は、孔口部を避けて管孔部の中程からひとつまみの小片を取り出して押しつぶせば簡単にわかる。やっかいなのが縁シスチジアの有無と形の確認、管孔部実質の確認だろう。本当に孔口部の先端のシスチジアなのか否かを確認するのが意外と難しいようだ(同2010.7.21)。 |
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そこで、先日富士山で採取したクリカワヤシャイグチ(a)を素材に、一つの方法を紹介してみた。ふだんやっているように、半乾燥にはせず、生のままの状態から切り出した。
ピスを支柱として使い、脆くて弱い切片が潰れないようにする方法は、応用範囲が広い。過去にもヒメヒガサヒトヨタケ節のきのこ(同2005.6.24、同2006.4.15、同2009.6.5)などでやっている。 イグチ類の美しいプレパラートはこのやり方では無理だろう。ただ、多少厚い切片であっても、こうすれば楽に管孔部実質や縁シスチジアの確認ができる。 |
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