2012年4月17日(火) |
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1月末にいわき市に転居して以来、レイノー症候群の発症が激しくて、痛みと硬直のため指先がまともに動かせない日々が続いている。ボールペンを握って文字を書いたり、顕微鏡の微動ノブを操作したり、プレパラートの作成には非常な困難がともなう。それが主因で顕微鏡には埃が溜まりがちだった。ようやく気温も上がりだしたので症状が少し軽くなってきた。
昨日コケの生えた腐朽木から出ていたきのこを持ち帰った(a〜d)。腐朽木はたぶんアカマツと思われる。指先を温めて騙しだましプレパラートを作り、このきのこを材料にプレパラートを作ったり、顕微鏡を操作してみた。パソコンのキーボードを叩くだけなら、指先が硬直した状態でも何とかなるが、実体鏡の下できのこを切り出すのはとても無理な相談だった。そこで、切片作りはすべて簡易ミクロトーム頼みとなった。これだと指を使わず掌で操作できる。
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(a) |
(b) |
(c) |
(d) |
(e) |
(f) |
(g) |
(h) |
(i) |
(j) |
(k) |
(l) |
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ヒダは上生でやや密(d)。胞子紋は紫褐色(e)、胞子は濃硫酸でスレート色になり発芽孔が顕著になる(f, g)。縁シスチジア(i)、側シスチジア(j)があり、クランプも見られる(k)。かさ表皮は嚢状から細胞状(l)。ナヨタケ属 Psathyrella に間違いない。保育者図鑑の検索表からはイタチタケ亜属に落ちる。ムササビタケによく似ているが、側シスチジアが多数ある(雑記2011.11.15)。
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