2012年4月23日(月) |
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気温が上がりはじめたおかげで、日中は指先のレイノー症状がやや軽くなり始めた。そこで、ファンヒーターを点火しながら、さくらのハルシメジを観察してみた。
船橋県民の森でサクラ樹下に3〜8本くらいずつ束生して足の踏み場がないほどだった(a)。採取したばかりの子実体のヒダは淡褐色だったが(b)、一晩経つとヒダは暗肌色〜暗桃色に変色し、明るいピンク色の胞子紋が落ちた(d)。ヒダの付き方は直生〜上生。カサは凹状に広がるが、中央は市女笠状に軽く突出する(e)。グアヤクチンキでは呈色反応なし(f)。
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(a) |
(b) |
(c) |
(d) |
(e) |
(f) |
(g) |
(h) |
(i) |
(j) |
(k) |
(l) |
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胞子は典型的なイッポンシメジ型で(g, h)、ヒダにシスチジアはない(i)。なお濃硫酸では胞子の壁が変形するようだ。担子器の基部にクランプ無し(j)。カサ表皮は水で封入すると並列に走っているが(k)、KOHで封入すると斜めに立ち上がって見える(l)。カサ肉にも柄にもクランプは見つからない。さくらのハルシメジを観察したのは久しぶりだった(雑記2009.4.29)。
ファンヒーターで暖められ室温が摂氏18度まで上がったが、すぐに指先が白色に変色して冷たくなり、硬直化と痛みのため細かな操作ができなくなってしまう。結局今日も実体鏡を使った解剖作業は途中で放棄して、簡易ミクロトームに頼るしかなかった。日中の気温が20度を超えないと、精密機器やカメラなどのまともな操作は難しい。
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