2012年8月31日(金)
 
明日と明後日は富士山へ
 
 連日の猛暑とカラカラ陽気で何もする気になれず、気分転換に8月10日に警戒区域が解除されたばかりの楢葉町の林道に再び入った(雑記2012.8.11)、昨日は乙次郎林道よりさらに北に位置する井手川林道に入った。うまくすれば川内村に入れるはずだった。
 美しい渓谷に沿って舗装された林道が続き、絶好のきのこ観察ポイントともいえるすっきりした林床のモミ林が次々に現れた。しかし、林床はすっかり乾燥し、ウスヒラタケやコウモリタケ以外にはきのこは全く無かった(a, b)。途中富岡町に分岐する林道は「通行止め」(c)。
 さらに進んで川内村との境界に達すると、突然土嚢に道を塞がれた(d, e)。「通行止め」ではなく「終点」との表示。土嚢をずらそうと試みたが、びくともしなかった。トライアルバイクなら土管越えの要領で楽に通過できたろう(同2002.10.29)。やむなく、徒歩で川内村に入ると道は次第に荒れだし、分岐の先では草ボウボウで亀裂も生じ、四輪車では通行は無理そうだった(f)。
 次に入った木戸川ダムへの道は土砂崩壊で不通(g)。しかたないので、海浜生菌類の棲息していそうな浜を目指した。つい最近までこのあたりは全く近寄ることができなかった場所だ。富岡町との境にある浜からは福島第二原発が指呼の距離にある(h)。津波被害でひどく荒れた道を瓦礫を避けながら無理矢理進むとここでも道路封鎖(i)。車をその場に残して浜を歩むと、第二原発の巨大な原子炉建屋とタービン建屋がそそり立っていた(j)。
 楢葉町を離れ広野町の海水浴場に降り立った。駐車場には大きなテトラポットが津波に運ばれてあちこちに転がっていた(k)。すぐ脇には東京電力広野火力発電所がそびえていた(l)。砂浜には植生はほとんど無く、ここも海浜生菌類生存の可能性は低い。
 この日の線量計は四六時中警報音を発し続け、一帯が高線量地域であることを痛感させられた。崩壊した道や瓦礫の中で、きわどいバックを何度も繰り返したので首が疲れた。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 明日(9/1)と明後日(9/2)は富士山できのこ観察。例年行われてきた行事で、三重県勢と関東勢が富士山で合流して、夜は河口湖畔の宿で宴会となる。今夜にはいわき市を出発だ。夜中じゅう走り続けて、明るくなれば山歩きになる。途中どこかで仮眠時間をとりたい。きのこがなければ、マルダイゴケなどの糞生苔(蘚苔類)とサルオガセ類エイランタイ類(地衣類)の観察に切り替えだ。線量計の代わりに、コケ採集具を忘れないようにせねばなるまい。

日( )
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