2014年8月9日() ナスコン? or コンイロ?:川内村にて
 川内村の沢沿いの暗い斜面で紺色のイッポンシメジ属にであった(a, b)。肉眼的にはナスコンイッポンシメジなのかコンイロイッポンシメジなのかよくわからない。ヒダは上生で(d)、柄の基部には白色の菌糸がまとわりついている(c)。
 そこで、保育社図鑑をみると両者とも本郷博士の命名で、ナスコンは胞子が細長く菌糸にクランプがあると書かれ、コンイロについてはそういった記述はない。また図鑑の描画ではコンイロの胞子は細長くはない。ヒダの一部をつまんで顕微鏡でみた。胞子は細長い(e)。菌糸にはクランプがある(f)。より正確には両種についての原記載にあたるべきだがそれも面倒だ。そこでこのきのこは保育社図鑑に準拠してナスコンイッポンシメジということにした。
 
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 昨日の午後になってようやくわずかに雨が降った。雨量は計測不能なほど少量だったが、実に久しぶりの雨だった。連日の猛暑と乾燥でどこに行ってもきのこはきわめて少ない。この日出会ったきのこといえば、テングタケ属(g)、ニガイグチモドキ(h, i)、鮮やかな橙色のイグチ(j)、キアミアシイグチ(k, l)くらいのものだった。
 さらに特記事項として、センボンキツネノサカズキの幼菌がいずれも干からびたり他の雑菌に冒されてほとんど死んでいた(雑記2014.8.1)。新たな幼菌は見つからなかった。


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