2021年8月3日(火)  「高級食パン」を謳うブーランジェリ

 日光市には「高級食パン」を掲げる食パン専門店が数軒ある。中でも定評があるのは、利(とし)brivory(ぶらいぼりー)で、いずれもフランスでいうブーランジェリだ。ブーランジェリ(Boulangerie)というのはフランスで「職人自ら小麦を選び、自ら粉をこねて、自ら焼いたパンを、その場で売る店」と法律で定義されている。

 前々から利とbrivoryの食パンは、一度は食べてみようと思っていたが、あまりにも高価格なのと事前予約が非常に面倒なこともあって、これまでは一度も買ったことはなかった。それほどの金銭を出すくらいなら、Signifian Signifie(シニフィアンシニフィエ)の高級食パンを買うほうがはるかによいと思い、年に数回この店から買っていた。

 で食パンを買うには、予約販売にせよ通信販売にせよInstagramとFacebookでの告知に基づく電話予約が原則で、これがなかなか繋がらない。さらに店を開けるのは土曜日だけで、非予約販売の量はとても少ない。だから開店日には長い行列ができてすぐに売り切れになってしまうので、簡単には入手できない(同2018.5.30)。開店時刻の2時間前から並んだこともあるが、買うことはできなかった。なお、利の食パンは砂糖もバターも使っている。

 一方brivory(a)では購入に予約は不要だ。開業が新しいせいかここで行列は見たことがない。だからいつでもすぐに買うことができる。そこで先日食パン(b)を買ってみた。brivoryの食パンは砂糖・バター・乳製品・卵は使っていない(c)。利にしろbrivoryにしろ米国産小麦粉は使わず、国産小麦だけを使っている。
 買ってみたのは「サラ・ブレッド」と「大麦ブレッド」(d, e)、いずれも一本1,000円弱だ。帰宅するとすぐに、まず生で(f)、次いで焼いて、いずれもバターやジャムなどはつけずに食べてみた。両者とも目が詰まった重い感じで麦の匂いを強く感じる。しかしスーパーで販売されている「高級パン」とは食感も味も雲泥の差がある。

 いわき市小名浜のブレッドガーデンが懐かしい。この店も開店1時間前に並ばないと、希望するパンを買うことはできず、並んだからといって必ずしも購入できるとは限らない。すぐ前の人で売り切れになるなどは日常茶飯事だ。しかし、食パンはじめパンの質と味は素晴らしく、しかも価格はとても庶民的でスーパーの高級食パンより安い。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 利がこれほどの殿様商売をしていても経営が成り立ってきた最大の理由は、やはりその味と質だろうとは思う。全国に熱烈なファンがいるようだ。しかし所詮はパン。しかし自分で捏ねて作るパンとは確かに大きな違いがある。でもたまに極上のパンを食べたいと思ったら、今後とも躊躇なくSignifian Signifieにネット注文することだろう。


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