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2018年4月24日(火) 8年ぶりに顕微鏡でみたコガネヌメリタケ
 昨日尚仁沢遊歩道でコガネヌメリタケにであった(a)。10本ほどが束生した株を持ち帰ったのだが(b)、柄の泥を落とさずに紙袋に入れたものだからヒダやカサにも泥が付着していた。
 現地でヒダの縁を見ると濃い橙色で縁取られていた(c)。胞子紋は30分ほどでカバーグラスにたっぷり落ちた。それを最初からメルツァー試薬で封入した。アミロイドだ(d)。
 ヒダの薄切りを作ろうと、実体鏡の下にスライドグラスを置いて、その上にヒダを寝かせて切り出し、それを顕微鏡で覗いた(e)。倍率を上げて先端を見ると、黄褐色で紡錘形の縁シスチジアが多数着いている(f)。なぜか先端のシスチジアの束が崩れたものばかりだ。かつてヒダ先端を見たときはもっと整然と整っていたような気がする(雑記2010.5.27)。
 ヒダの縁の小片をピンセットで摘まみ取り、フロキシンで染めてKOHで封入して押しつぶした。改めて縁シスチジアを見た(g)。次いでヒダ先端を含まない小片をつまみ出して同じように押しつぶすと、そこにもシスチジアがある。側シスチジアということになるのだろう(h, i)。担子器と同じような大きさのものが多い。担子器の基部の様子はよくわからなかった(j)。
 カサ表皮はゼラチン状の膜で覆われていて薄切りがやりにくい。乾燥気味のカサを使い古した剃刀で切るとゴムのように伸びた。それでも何とかカサ表皮の部分を切り出した(k)。倍率を上げて見ると、やや太めの菌糸が並列気味に並んでいた(l)。
 以前このきのこは上述の2010年のほか、2009年2008年にも検鏡結果を掲載している。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 これは観察記録ではないので、各部分の正確な表現やサイズなどについてはいちいち記さない。また、掲載したがぞも気分で選んだので、必要最小限のものではない。