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[標本番号:No.95   採集日:2007/01/31   採集地:東京都、奥多摩町]
[和名:クラマゴケモドキ   学名:Porella perrottetiana]
 
2007年2月5日(月)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 奥多摩の海沢沿いの林道脇には、大形の苔類がいくつか見られた。大きな群をなし、まるでシダのように羽状に拡がったクラマゴケモドキ属がとくに目立った(a〜c)。茎の長さは8〜12cmほどで、葉を含めた幅は3〜4mmで、3〜4回ほど羽状に分岐している。
 現地で見て直ちに、クラマゴケモドキ Porella perrottetiana だろうと思ったが、念のために持ち帰って調べてみることにした。葉は背片と腹片からなり、腹葉をもつ。背片は倒瓦状に重なり合ってつき、葉先は鋭く長い歯が5〜8ほどある(d, e, g)。
 腹片は長めの舌形で、縁には全体に長い歯がついている(d, f, i)。キールは幅が狭い(d, f)。このため、背片と腹片を完全な形のまま切り出すのはかなり難しい。今回も結局上手く切り出すことはできなかった。腹葉は茎径よりやや広く、広い幅で茎に接し、短い舌形で葉縁には長い歯が多数ついている(d, k)。
 念のために、葉身細胞を、背片(h)、腹片(j)、腹葉(l)のそれぞれに別個に観察してみた。背片のものが比較的大きいが、いずれも、トリゴンは比較的大きく、数十個の油体を持っている。葉身細胞は合焦位置によって、輪郭部や膜の様子が随分と変わって見える。いずれの位置のものも、細胞膜はかなり薄い。写真は油体が比較的明瞭に分かる位置に合焦したので、細胞膜の様子などはわかりにくい。
 現地で感じたとおり、クラマゴケモドキとして間違いなさそうだ。なお、花被は扁平な倒卵形で、雄花は図鑑に記載されているとおり、側枝についている(b, c)。クラマゴケモドキを観察したのは、今回で三度目になる(覚書2007.1.9同2006.12.31)。