Top  観察覚書:INDEX back


[標本番号:No.1166   採集日:2017/02/16   採集地:栃木県、佐野市]
[和名:コウヤノマンネングサ   学名:Climacium japonicum]
 
2017年4月1日(土)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
(m)
(m)
(n)
(n)
(o)
(o)
(p)
(p)
(q)
(q)
(r)
(r)
(a, b) 植物体、(c) 乾燥時、(d) 湿時、(e) 枝:乾燥時、(f) 枝:湿時、(g) 茎の上部、(h) 茎の中央部、(i, j) 茎葉、(k) 茎葉の基部、(l) 茎葉の先端部、(m) 茎葉の葉身細胞、(n) 茎葉基部中央の細胞、(o) 茎葉翼部の細胞、(p, q) 茎葉中肋の断面、(r) 茎の断面

 佐野市の木浦原(alt 360m)で採取したコウヤノマンネングサを少していねいに観察してみた。杉林の縁のやや湿り気のある斜面に大きな群落を作っていた。一目でコウヤノマンネングサであることはすぐに分かった。採取したのも観察したのも7年ぶりのことだ(標本No.430)。朔をつけた個体はなかったので、配偶体の各部をこまめに撮影してみた。全体像は乾湿にかかわらず、あまり変化を感じられないが、ルーペで見ると乾燥時(e)と湿時(f)とではかなり印象が異なる。

 ここでは茎や枝、葉身細胞や毛葉などの様子は画像に語らせることにして、主に掲載の画像からだけではわかりにくいことを文章で補足することにした。このコケに特徴的なことといえば、非常に大型で樹木のような姿をしていて、地下で仮軸分枝をしているので一つの茎を引き抜くと芋づる式に周辺の茎も一緒につながって引きずり出されてくることだ。茎葉は茎を抱くように密着してついているので、崩さずに茎から外すのが思いの他難しい。
 茎葉と枝葉は大きさや形がまるで違うが、葉身細胞の大きさも両者の間で異なる。さらに茎葉の葉身細胞の基部中央の細胞は膜にくびれが見られる(n)。
 

 
 
(s)
(s)
(t)
(t)
(u)
(u)
(v)
(v)
(w)
(w)
(x)
(x)
(y)
(y)
(z)
(z)
(aa)
(aa)
(ab)
(ab)
(ac)
(ac)
(ad)
(ad)
(s) 茎断面の中央、(t, u) 枝葉、(v) 枝葉の先端、(w) 枝葉の葉身細胞、(x) 枝葉基部の葉身細胞、(y) 枝葉の断面、(z) 枝葉中肋部の断面、(aa) 枝の断面、(ab) 枝表面の毛葉、(ac) 枝の毛葉、(ad) 枝の毛葉を拡大

 枝葉の中肋は葉頂近くに達し、先端近くには顕著な牙がある(u, v)。枝葉はその断面切り出しが意外と難しかった。結局上手く切れたものはひとつもなかった。観察結果の詳細と数値による表現については標本No.123のそれとほとんど変わらない。