2006年6月30日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 6月28日の雑記でオニイグチモドキ(g)としたきのこはオニイグチであった(雑記2006.6.28: (j))。オニイグチモドキと誤った理由は二つ。一つは傘の表面の鱗片が、やや硬く角状で密に被われていたこと。今ひとつは対物40倍レンズでみた胞子に網目模様が見られなかったこと。
 上段にオニイグチモドキを、下段にオニイグチを、比較できるようにして並べてみた。上段の(c)と下段の(i)とを同時に並べれば、たしかに、鱗片の付き方に違いがあることは分かる。しかし(a)と(g)を同時に並べても、どちらがどちらかは明瞭とは言い難い。
 次に精度の悪い学習用顕微鏡の対物40倍レンズで見たとき、両者の胞子に差異は感じられなかった。昨日は、ピンセットで管孔の一部をつまんで、手元の学習用顕微鏡40倍で胞子を見た。これが誤ることになった第二の理由である(雑記2001.8.19)。
 オニイグチモドキとオニイグチとは実によく似ている。しかし、胞子の表面模様はまるで違う。だから、検鏡抜きで断定することはできない。油浸対物100倍で見れば、両者の違いは明瞭である(d, e; j, k)。良質の生物顕微鏡であれば、対物40倍でも十分判定可能である(f; l)。
 やはりきのこの観察に使用する顕微鏡は、オモチャの顕微鏡や小中学生用の学習顕微鏡では、十分に役立つとは言えない。これらで信頼できるのは対物10〜20倍くらいまでだろう。そうなると、胞子の表面模様の判定は、一般的には無理である。

日( )
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