back |
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
この2日間に見たマツカサキノコモドキ(雑記2005.11.11)とニセマツカサシメジ(同11.12)は、同じ松毬から混生して出ていることもあり、外見だけではわかりにくいことが多い。 図鑑などでは、この両者は外見的特徴から簡単に区別できるかに書いてある。傘の色と形、ヒダの密度、柄の色と基部の状態をよく観察すれば、両者の差異は明らかであるとされる。 多くの個体を観察してみると、現実はそう甘くない。外見だけでは判断できないケースに頻繁にであう。そこで、以下にこの両者について、表形式で整理してみた。 顕微鏡的特徴のうち、赤字で記した部分を調べれば「いずれかでない」ことは一目瞭然である。「××である」と言い切るにはさらに詳細な観察が必要である。 顕微鏡を使うのならば、縁シスチジアを見るのが最も簡単だ。ヒダを一枚つまんでスライドグラスに寝かせてそれを見るだけでよい。 胞子のアミロイド反応やクランプの有無を見るためには、油浸100倍の対物レンズを使わないとわからない。傘上表皮の観察であれば、低倍率の顕微鏡で十分である。しかし、傘表皮の切り出しはそう簡単ではない。マツカサキノコモドキの傘表皮はよほど上手く切り出さないと、まるで円形菌組織か偽柔組織のように見えてしまう。洋梨形子実層状被タイプの傘上表皮は、押し潰さないよう注意して、かなり薄い切片を作る必要がある。
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||