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[標本番号:No.607 採集日:2009/03/14 採集地:三重県、大紀町] [和名:ナガスジハリゴケ 学名:Claopodium prionophyllum] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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三重県大紀町で、林道脇の石灰岩壁についた蘚類を採集した。現地でルーペでみたところハリゴケ属 Claopodium の蘚類だと思われた。もし、ナガスジハリゴケ C. prionophyllum だとしたら、矮雄 dwarf male を観察できるのではあるまいかと思って少量採集してあった。 葉や茎などを観察した結果は、ナガスジハリゴケとしてよいのではないかと思う。採集した標本が少なく、そのいずれもが泥汚れがひどいものだったこともあり、葉の横断面切り出しは泥との闘いとなった(m, n)。標本を半日ほど水没させると、枝や葉面はかなりきれいになった(o)。 |
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実体鏡を使って数時間、矮雄を探したが結局今回もまた見つからなかった(標本No.594)。前回採集したナガスジハリゴケは2009年2月に埼玉で朔を伸ばしていたものだ。今回の標本No.607を採集した群には朔をつけた個体はひとつもなかった。ナガスジハリゴケの矮雄は一定の季節にしかみられないのだろうか。
[修正と補足:2009.03.30] |
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平凡社図鑑と Noguchi (Part4 1991) を参照して、Claopodium (ハリゴケ属) とHaplocladium (コバノキヌゴケ属) 両者の配偶体での相違点を抽出すると以下のようになる。
次いで、ナガスジハリゴケ (C. prionophyllum)とコメバキヌゴケ (H. microphyllum)の配偶体についての記述を比較してみると、以下のように読み取れる。最下行に、過去に採取・同定した両種の観察記録の標本番号を加えた。
新たに追加した画像を考慮に入れ、過去の標本とも比較してみた結果は、コメバキヌゴケとするよりも、ナガスジハリゴケとする方に分があるように思える。典型的なものからはかなり外れているようだが、とりあえずナガスジハリゴケのままとしたい。 ご指摘くださった方には、新たに検討する機会を与えて頂いたことを感謝します。
[修正と補足:2009.03.31] |
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