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[標本番号:No.839 採集日:2010/01/05 採集地:東京都、奥多摩町] [和名:オオギボウシゴケモドキ 学名:Anomodon giraldii] | |||||||||||||||||
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奥多摩日原街道の白妙橋近くの岩壁(alt 530m)についていた硬い感じのコケを観察した(a)。二次茎は樹状に分枝する(b, c)。枝は先端が湾曲し、上部に緑色の葉をつけ、下部には褐色の葉をつける。葉は、乾燥すると覆瓦状に枝に接し、湿ると反転するように展開する(d, e)。 葉は長さ1.5〜1.8mm、広卵形で上半は漸尖し、先端はやや鋭頭、葉縁はほぼ全縁で、基部はやや下延する。中肋は強く、葉の背面側に膨らみ、葉頂近くに達する(j, m, n)。葉身細胞は不規則な多角形で、厚膜、長さ8〜12μm、背腹両面に多数の小乳頭があるが、細胞の輪郭部は明瞭(k, m, n)。茎の横断面に中心束はなく、表皮は厚膜の小さな細胞からなる(o, p)。 キヌイトゴケ属 Anomodon の蘚類だと思う。保育社図鑑の検索表からはオオギボウシゴケモドキ A. giraldii に落ちる。種の解説を読むと観察結果とほぼ符合する。以前採取した3点の標本(No.584、No.347、No.297)と比較すると、乾燥時の枝の湾曲が弱い。 |
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