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[標本番号:No.0983 採集日:2010/07/27 採集地:山形県、鶴岡市] [和名:ワタミズゴケ 学名:Sphagnum tenellum] | |||||||||||||
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手許に残っていたミズゴケ標本のうちの最後のひとつを観察した。7月27日に東北の月山で出会ったハリミズゴケ節 Sect. Cuspidata のワタミズゴケ Sphagnum tenellum だ(alt 1440m)。残念ながら、ガッサンミズゴケ(=コバノミズゴケ) S. guwassanense には出会えなかった。 ワタミズゴケは繊細で特徴的なミズゴケなので同定は比較的やさしい。すでにこれまで4回ほど観察しているので(標本No.781, No.768, No.714, No.679)、アップするのはやめようかと思ったが、山形県で見たのは初めてだったので、文字による記述は省略して画像のみをアップした。 |
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茎葉も枝葉も小さくて脆いので、横断面の切り出しは多少難儀した。ここ1週間ほどの間に20点ほどのミズゴケを観察したが、「覚書」にアップしたのは本標本を含めて5点になる。他の15点は、すでに何度も「覚書」にアップしたので、そのまま標本箱に格納することになった。
ちなみに、ワタミズゴケと同定した根拠だけを簡略にメモしておこう。肉眼的に繊細でやわらかく、全体的にボテッとした感触がないことから、ミズゴケ節、キダチミズゴケ節、キレハミズゴケ節、ウロコミズゴケ節でないことはすぐわかる。18倍ルーペによる観察から、枝葉の透明細胞の接合面に沿った多数の孔は感じられない。枝葉の形からもユガミミズゴケ節ではない。開出枝と下垂枝の葉の形からはスギバミズゴケ節の可能性も低い。 ここに掲げた画像は、ワタミズゴケと同定した後に、茎と枝の一部を切り出してサフラニンで染めて、各々のパーツをあらためて撮影したものだ。枝の表皮の様子などは、観察時に合焦位置を少しずつずらして全体のイメージを捉えることができるが、写真表現ではそれができない。一枚の画像で明瞭に表現するには、良質で高性能の実体鏡を使っても難しいだろう。 |
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