(a, b) 植物体、(c) 標本、(d) 乾燥時、(e) 湿時、(f) 茎葉と枝葉、(g) 茎葉、(h) 茎葉の葉身細胞、(i) 茎葉の翼部、(j) 茎葉の先端、(k) 枝葉、(l) 枝葉の葉身細胞、(m) 枝葉の翼部、(n) 枝葉の先端、(o) KOHで封入した枝葉、(p) KOH下での枝葉の葉身細胞、(q, r) 茎の横断面 |
6月12日に長野県の志賀高原採集した標本No.972の蘚類の採集袋を開いてみると、別の種がいくつも含まれていた。分別してみると特定の種がまとまっていたので、新たに標本No.991を立てこれを観察した。特徴的な葉の形と茎の色からタチハイゴケ Pleurozium schreberi に間違いなさそうだ。採取からすでに3ヶ月が経過しているため、標本全体がすっかり褐色となり、色について採取時の面影はない。
すっかり乾燥した標本をルーペでみると、葉先が鋭頭に見えた。これは葉上部の縁が内曲して凹んだ内側に折りたたまれていたためだった。タチハイゴケについては、標本No.300、同No.942で詳細に記しているので、ここでは画像だけを列挙し、文字による記述は省略した。朔をつけた個体はなかった。標本はかなり退色していたが、3%KOHで封入すると鮮やかな黄色になった。
|