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[標本番号:No.1081 採集日:2010/10/12 採集地:愛媛県、久万高原町] [和名:ミヤマサナダゴケ 学名:Plagiothecium nemorale] | |||||||||||||||||||
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四国面河渓で採取したコケの最後のひとつを観察した。ヤノネゴケ(標本No.1031 非掲載)を採取したところ、そこに混生していたものだ(alt 750〜800m)。処分するには忍びないので新たに標本番号No.1081を与えた。生態写真はケータイで撮影したものしかなく、ピントもかなり甘いが(b)、標本を取り出すとき、この写真をみてはじめて混在に気づいた。 乾燥状態ではあまりつやがなく、葉が強く縮れていた。葉は、長さ1.8〜2.4mm、卵形で多少凹み、次第に細くなって鋭頭、全縁、基部は茎に細く下延する。中肋は二叉して短く、葉長の1/3以下で、1/2まで達する葉がわずかにある。葉身中央の細胞は長い六角形で、長さ70〜110μm、幅14〜23μm、薄壁で平滑。葉の基部ではやや大きくなり、矩形の細胞も混じるが、明瞭な区画は作らない。苞葉の葉身細胞には内容物がほとんど残っていなかった。 |
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朔柄は長さ2〜4cm。朔は傾いてつき、細長い円筒形で、長さ2.5〜3.5mm、やや非相称。朔は二重で、それぞれ16枚。外朔歯は披針形で、下半部は横条で被われ、先端部は乳頭に被われる。内朔歯の基礎膜は高く、間毛が出る。朔の基部には気孔がある。 サナダゴケ属 Plagiothecium だろう。平凡社図鑑の検索表をたどるとミヤマサナダゴケ P. nemorale に落ちる。解説を読むと、観察結果とほぼ符合するが、茎の横断面については異なる。図鑑には属の解説で「(茎には)中心束がなく,表皮細胞は大きく」とあるが、本標本の茎には、明らかに中心束がある。また表皮細胞もさほど大きくない。これまでミヤマサナダゴケと同定した標本(No.630、No.423、No.35)のいずれにも、茎の横断面には弱い中心束が見られた。 |
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