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[標本番号:No.1213 採集日:2017/12/09 採集地:栃木県、真岡市] [和名:ヒナノハイゴケ 学名:Venturiella sinensis] | |||||||||||||
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先日真岡市の井頭公園で採取した標本をじっくりと覗いてみた。過去に何度か詳細な記録をしているので(標本番号1149、同0049、同0030)、いまさらとの思いはあるが、とりあえず観察結果を記録しておくことにした。今回は同じような写真をあえて冗長に何枚も掲げた。
ヒナノハイゴケ(Venturiella sinensis)は野外でちょっと見ただけでも比較的簡単に同定できる蘚類だ。通称クチベニゴケ(口紅コケ)といわれるように、朔の縁や口環が鮮やかな赤色をしている姿は特徴的だ。日本産では一属一種とされ、他に紛らわしいコケはない。 |
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胞子体は枝に頂生し朔柄は0.2〜0.4μmと短く、密生して長く伸びる苞葉に埋もれて見えない。朔は卵形で直立し相称で、長さ1.2〜1.5mm、白色で鐘状の薄い帽をかぶり、帽には顕著な縦皺がある。蓋の先端は嘴状に長く伸びる。朔歯は一重で赤色、披針形で16枚ある。朔歯の表面は細かな乳頭に覆われる。赤色の口環がよく発達している。胞子は類球形で径45〜55μm。朔の基部には気孔がある。 この蘚類は見た目以上に脆いことを痛感した。茎や枝から葉を取り外すのが思いの外難しく、葉の基部を崩さずに取り外すのがなかなかうまくできなかった。また、今回採取した標本では朔の蓋が外れた状態のものがひとつもなかった。なんとか、蓋を取り外そうとすると朔の本体が崩れてしまって、うまく外すことができなかった。また、胞子を顕微鏡でみると、内部に緑色で紡錘形〜長楕円形の小片が多数見える。 |
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