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気温がやや高くなり雨も降ってくれたおかげか、さいたま市でもようやくトガリアミガサタケが成長しはじめた。昨日午後確認したところでは12〜15cmほどになったものが7〜10個ばかりみられた(a〜c)。3月5日に3〜8mm、3月16日に40〜70mmほどにまで育っていたものは、そのほとんどが成長することなく、小さな姿のまま干からびた姿をさらしていた。 背丈15cmほどのもの2個(d)を採取した。頭部と柄との付け根(e)などをみるとほぼ成熟しているようにみえたのだが、結果的にはこの2個体ともまだかなり若い幼菌だった。顕微鏡でのぞいてみるまでは、この2個体に関してはてっきり成菌だとばかり思っていた。 帰宅して子実層(f)の一部を切り出し(g)、倍率を上げてみると(h)、胞子も子嚢も未成熟であった。メルツァーをやめ、新たにフロキシンで染め直してみると、胞子を作り始めている子嚢をいくつかみつけた(i, j)。胞子サイズはまだとても小さい。このサイズで幼菌ということは、湿度・気温条件が整えば背丈が30cm以上に成長するタイプのものだろう。それまでに踏み潰されたり、引っこ抜かれたりしないで育ってくれるとよいのだが。 |
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