2003年4月8日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 採取してきたタマキクラゲから切片を切り出して覗いてみた。最初水でマウントしてみたが、キクラゲ類の常としてほとんどなにもわからない(a)。一段倍率をあげてじっとみているとなんとなく担子器らしきものがみえなくもない(b)。そこで、新たに切片を切り出してフロキシンで染めた(c)。
 倍率を上げてみるまでもなく、子実層断面の3層構造がよくわかる。一番外側は褐色の不稔組織、二番目に担子器の層、最も内側に厚いゼラチン質を伴った菌糸層になっている。この仲間のキノコの担子器は子実層面に深く埋没している(d, e)。
 このプレパラートを軽く押しつぶして子実層面をバラバラにした。すると担子器のいろいろな成長段階があちこちにみられた。成熟すると隔壁で2〜4室に別れ、その各室から管状の細長い小柄を伸ばしていく。これはかなり長くなりその先端は、褐色の表面組織の外側にまで達していく(f〜j)。その先に細長い担子胞子をつける。
 同じヒメキクラゲ科のヒメキクラゲ(雑記 2002/12/25)と比べてみると興味深い。胞子はタマキクラゲの胞子よりやや小ぶりだがよく似た形をしている。このときは、担子器の成長段階の撮影データは取り上げなかったので、今回のタマキクラゲではそれを主にとりあげた。また、キクラゲ科のアラゲキクラゲについては、雑記 2002/12/26で取り上げている。

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