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ひたち海浜公園の松林下の砂地からきれいなニガクリタケが出ていた(a, b)。ニガクリタケは一年中みられ、いつでも撮影したり観察できる。だからだろうか、案外まともな写真もなければ、きちんとミクロの姿を観察する機会もあまりない。 そこで今朝はこのニガクリタケを観察してみた。胞子紋は暗紫褐色(c)。カバーグラスに採った胞子紋をそのままみた(d)。水を加えるとピントが鮮明になった(e)。やや厚壁の胞子には発芽孔がみられる。水を3%KOHで置き換えると色が黄褐色になった(f)。 ニガクリタケのヒダは非常に脆くて小さいので、ヒダの薄切りは案外むつかしい(g)。KOHでマウントするとカバーグラスの重みでたちまちペチャンコになってしまう。ヒダ実質は並列型で、色素が細胞壁に沈着している(h)。実質部、傘肉、傘表皮のどこにでもクランプが見られる。 縁シスチジアは偽担子器のような形で、担子器よりやや大きめ(i)、側シスチジアはクリソシスチジアで先端に突起をもっている(j)。担子器の基部にはクランプを持ったものが多い(k)。 担子器の基部は組織をバラしたり、染色しないでもわかるが、サイズを計測したり、クランプの有無を確認するには、KOHとフロキシンを用いてバラバラにしたほうがわかりやすい。 傘上表皮は平行菌糸被、クランプを持った細長い菌糸が平行気味に走っている(l)。そのすぐ下には色素を多数沈着した偽柔組織が見られる。ニガクリタケを観察したのは実に久しぶりだった(雑記2004.3.31、同2003.3.6、同2003.3.3)。 |
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