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海辺で腹菌類以外のキノコは、撮影しても持ちかえることはあまりない。ところが、先週防風林からテングタケ属を持ち帰ってしまった(a, b)。散開型のヒダ実質部を撮影するつもりだった。ところが、帰宅後は他の野暮用に追われて、このキノコは冷蔵庫に放置となった。かろうじて胞子紋だけはとってあったので、まずは胞子を見た(d)。 |
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冷蔵庫から出して袋を開くと、幸いにもまだあまり崩れていなかった。しめしめと思いつつ、カサの一部を切り取って、実体鏡の下でヒダを数枚まとめて切り出した(e)。ところが、実質部がかなりスカスカになっている(f)。散開型と思えば、そうも見える(g)。 フロキシンで染めれば、もう少し鮮明に捉えられるかもしれないと妄想を抱いた。再び、複数枚のヒダをまとめて切り出し、フロキシンに浸してすぐに取りだした(h)。何となく散開型らしく見えはするが(i)、倍率を上げてもあまり明瞭にはならなかった(j)。 ひだ実質部の構造を確認するなら新鮮なうちがよい。乾燥標本からでも確認できる。一般には生標本は採取から時間が経つと、実質部が崩れ始めたり、虫に食われたりして、散開型の構造などは見えにくくなる(雑記2008.5.30、同2004.7.23、同2003.7.4)。 |
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