2011年5月13日(金)
 
自分のためのメモ
 
 明日から大学のギリシア語講座を受講するので、今日の内に名詞・形容詞・動詞など一通りの変化形を確認し、構文法概念の整理をしておく必要がある。それに先だってわが身のためにメモを残しておくことにした(雑記2011.3.6同2011.4.25)。
 昨年12月から学習を続けてきて古典ギリシア語の全体像がようやくみえてきた。日本語で書かれた古典ギリシア語の教科書には優れた書が多いが、独習者に配慮して練習問題に解答例を付したものは以下の3点しかない。当初(I)をベースに学習を開始し、すぐに(II)を併用するようになった。(II)を一通り読了したところで、例文と練習問題の豊富な(III)を追加した。
 
(I) 池田黎太郎
古典ギリシア語入門
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(II) 荒木英世
古典ギリシア語
(a')
(a')
(b')
(b')
(c')
(c')
(d')
(d')
(III) 古川晴風
ギリシャ語四週間
(a'')
(a'')
(b'')
(b'')
(c'')
(c'')
(d'')
(d'')
 (I)を終始メインの教科書として使ってきてようやく残りあと2課となった。もはや暗記的要素はほとんどなく、今は統語論と修辞論で難儀している。練習問題はやや少ないが厳選されている(b)。ただ、変化表の組み方が中途半端で(d)、不規則変化動詞のリストにいたってはあまりにも小さな字で組まれていて拡大鏡が必要だ(c)。さらに誤植も結構残ったままだ。
 (II)は全体が180ページ足らずで薄くて手頃に思えたが、韻文主体であり解説もあまりに簡略過ぎるので、理解困難なまま例文を暗唱するだけになりかねない。ただ、例文や練習問題のギリシア文をCDで繰り返し聞くことができることは大きな魅力といえる。
 (III)は今年の3月から使い始めたが独習書としては最もよくできている。例文や練習問題も豊富で、解答例も適切だ(b'', c'')。ページ数は466と最も厚く、解説も上記2書と比べて圧倒的に詳しくわかりやすい。変化表も見やすい(d'')。ただ最大の難点として文字が小さいこと。このため、拡大鏡を使っても気息記号やアクセントの種別が判然としない語がかなりある。
 結果として初めて古典ギリシア語を学ぶには、(I)で言語の全体像をさっと把握し、次いで豊富な例文と練習問題を備えた(III)をメインに本腰を据えて学ぶのが適切に思える。表題にある「四週間」で読了できるのはよほどの才能・素質を備えた一握りの人だけだろう。

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