2012年5月29日(火) |
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川内村の公園で棄てられた古いマツ材からでていたGymnopilus(チャツムタケ属)を少していねいにみた。現地ではチャツムタケではないかと思っていた(雑記2012.5.26)。
ただ、これまで見てきたチャツムタケは、柄の表面が暗褐色でなんとなく汚らしく、ヒダにKOHを滴下すると直ちに黒色に変色する(雑記2007.10.24)。これに対して、柄の色は明るい褐色であり(b)、KOHを滴下しても暗褐色になるばかりで黒変しない(d)。胞子、シスチジア、ヒダ実質、担子器、かさ表皮、柄の表皮などの形質状態はほぼ同様だ。
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 (a) |
 (b) |
 (c) |
 (d) |
 (e) |
 (f) |
 (g) |
 (h) |
 (i) |
 (j) |
 (k) |
 (l) |
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(a) 子実体、(b) 裏面、(c) 断面など、(d) KOH反応、(e) 胞子:dry、(f) 胞子:水道水、(g) ヒダの縁、(h) ヒダの断面、(i) 縁シスチジア:フロキシン染色、(j) かさ表皮:水道水、(k) かさ表皮:KOH、(l) 柄の表皮:KOH |
子実体全体が明褐色であること、かさ表皮がKOHで褐変すること、カサ肉が黄色ではなくほぼ白色〜淡褐色、茎肉が赤褐色や濃褐色ではなく淡褐色であること、胞子サイズがチャツムタケにしてはやや大きいこと、などからキツムタケとするのが適切かもしれない。
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