チャミダレアミタケ:意外と硬かった | |||||||||||||
近くの都市公園で広葉樹に白腐れを起こしている硬いきのこ(a)を採取した。これをジックリと眺め回してみた。カサ表面には放射状の細かいシワがあり(a, e)、子実層面は管孔状から乱れた歯牙状で(b, c)、口孔部では穴の数は1〜1.5個/mmほど(c, f)。固くて苦労したが子実体の断面を切り出すと、カサ表皮とカサ肉は明瞭に分離し、子実層は意外と深い(d)。 子実層の小片をフロキシン・消しゴム法でバラしてみると(雑記2010.7.31、同2003.9.18 等)、どうやら三菌糸型(trimitic)で、原菌糸(generative hyphae)は赤色に染まりクランプ(かすがい連結:clamp)がある(g, i)。隔壁がなく厚壁で褐色・紐状の骨格菌糸(skeletal hyphae)(g, j)と、細かく枝分かれした厚壁・褐色の結合菌糸(binding hyphae)(h, k)が明瞭に区別できる。 子実層をバラして、胞子や担子器を捉えようと試みたが、結局胞子は見当たらず、担子小柄(sterigmata)を備えた担子器らしき姿も捉えることができなかった(l)。シスチジア(嚢状体:cystidia)や剛毛(setae)あるいは汁管菌糸(vascular hyphae)といったような構造は見られない。 観察結果からこのきのこはチャミダレアミタケ Daedaleopsis confragosa としてよいのだろう。 |
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昨日の朝はよく冷え込んだ。顕微鏡室で作業をするにあたり足元に湯たんぽを置いた。今シーズンはじめての暖房となった。さらに寒さ到来に備えて灯油を購入した。 | |||||||||||||
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