2019年7月3日(水) Galerina 3種:日光だいや川公園にて
 一昨日の小雨が降る日光だいや川公園で、コケの中から小さなGalerina(ケコガサタケ属)があちこちから多数でていた。そのうちの一ヵ所で何となく少し違ったタイプのきのこが混生していた(1a〜1c, 2a〜2c)。カサ径はいずれも3〜8mmほど。
 胞子と縁シスチジアから2種類に分けられた。ヒメコガサ[上段(1)]とケコガサタケ[中段(2)]だ。ついでに外見がそっくりのフユノコガサ[下段(3)]を一緒に並べた。これは春先にハイゴケトヤマシノブゴケの中にでた。いずれもGalerinaのきのこだ。それにしても(2b)のきのこはてっきりヒメコガサだと思ったのだが、胞子等を調べるとケコガサタケだった。柄がどうにもケコガサタケらしくない。
 (a)〜(c)は子実体、(d)は対物40倍で見た胞子、(e)は対物油浸100倍で見た胞子、(f)はフロキシンで染めた縁シスチジア。
 
ヒメコガサ
G. hypnorum
(1a)
(1a)
(1b)
(1b)
(1c)
(1c)
(1d)
(1d)
(1e)
(1e)
(1f)
(1f)
ケコガサタケ
G. vittaeformis
(2a)
(2a)
(2b)
(2b)
(2c)
(2c)
(2d)
(2d)
(2e)
(2e)
(2f)
(2f)

フユノコガサ
G. heterocystis
(3a)
(3a)
(3b)
(3b)
(3c)
(3c)
(3d)
(3d)
(3e)
(3e)
(3f)
(3f)

 この中で最も興味深いのはヒメコガサだ。胞子が雨合羽のような衣装を着ている。図鑑などには仮面状胞子などと記されている。また、ヒメコガサとフユノコガサの縁シスチジアは、その先端が丸みを帯びている。さらに、ケコガサタケの柄は他の2種と比べると一般的には濃い暗褐色をしている。いずれもちょっと見にはそっくりだ。肉眼的観察だけで種名を決定するのはやめた方がよさそうだ。
 「きのこ雑記」→「駄言駄菌」に「御禁制品 4日間の変化 2019.7.2」を追加した。


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