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[標本番号:No.671 採集日:2009/07/11 採集地:栃木県、日光市] [和名:ヒメミズゴケ 学名:Sphagnum fimbriatum] | |||||||||||||||||||
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栃木県の鶏頂山の登山道(日光市側)の標高1,400mあたりの湿地で、繊細だが大型のミズゴケが多数の朔をつけていた。観察した結果は、上記に画像を列挙したように、スギバミズゴケ節 Sect. Acutifolia のヒメミズゴケ S. fimbriatum だった。この蘚類については、すでに何度か観察覚書に記しているので文字による記述は省略した(標本651、No.613、No.283、No.188)。
今回は、主に偽足から朔までの部分を観察したので、偽足、雌苞葉、朔、胞子などについてのみ記述をすることにした。このミズゴケが朔をつけているのを見たのは、二度目となる。先に朔をつけた個体では、カリプトラこそ確認できたが、朔本体や胞子などについては、詳細に観察できなかった(標本No.283)。
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朔はまだ完熟状態とはいえず、蓋はまだ未分化で、朔本体からとりはずすことはできなかった。偽足を被う雌苞葉は外側では小さく長さ1〜1.5mm、内側のものは大きく長さ2〜2.5mmで、配偶体の茎葉や枝葉とは形が異なっている。雌苞葉の葉身細胞も、配偶体の茎葉や枝葉のそれとは、かなり異なり、先端部にのみ透明細胞があり、中央部から下部には透明細胞はなく、細胞壁にはくびれがある。また、基部の縁には短い毛のような突起がある。 |
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若い朔の表面は、透明で薄膜のカリプトラに被われている。このため、朔表面の気孔が明瞭には捉えにくい。カリプトラの膜を外すと気孔も鮮明に捉えられた。朔を横断面で見ると、若いものでは、カリプトラが外皮の外側に密着している(ai)。成熟するとカリプトラは朔表皮から分離する(aj)。胞子も全体に未成熟だった。胞子の形は四面体であるが、合焦位置を変えながら観察しないと、全体像はつかみにくい。
[修正と補足:2009.9.1] |
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