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[標本番号:No.1007   採集日:2010/10/11   採集地:高知県、本川村]
[和名:クモノスゴケ   学名:Pallavicinia subciliata]
 
2010年11月8日(月)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
(m)
(m)
(n)
(n)
(o)
(o)
(a) 混生する植物体、(b) 標本、(c) 標本葉状体部、(d) 標本の先端部、(e, f) 腹面先端付近、(g) 翼の縁の長毛、(h, i) 腹面にある裂片、(j) 葉状体の横断面, 、(k, l) 中肋付近の横断面、(m) 翼部の横断面、(n) 葉身細胞、(o) 油体

 高知県本川村の自然公園で、ジメジメした土の斜面にコマチゴケとオオウロコゴケが混生していた(a)。この中にクモノスゴケと思われる苔類が多数混ざっていた(alt 600m)。これまでクモノスゴケやクモノスゴケモドキというと、純群落に近い状態のものしか知らなかった。当初観察するつもりはなかったのだが、腹面側の様子がこれまで見てきたものとは異なっていたので、画像を主体として取り上げた(cf: 標本No.740, No.439, No.294, No.187)。
 ここで取り上げたものは、いちように中肋の腹面側から小葉状の裂片がいくつも出ていた(h, i)。念のために幾つもの葉状体から中肋付近の横断面を切り出してみたが、それらの多くでも同様の裂片がついていた。糸状の腹鱗片と思われる組織は、腹面の成長点付近にだけわずかについていた(e, f)。また、多くの葉状体の先端は棒状に長く伸びて、多数の仮根がついていた。