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[標本番号:No.1033 採集日:2010/10/13 採集地:高知県、津野町] [和名:ミヤマサナダゴケ 学名:Plagiothecium nemorale] | |||||||||||||
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高知県の四万十川の源流点で、岸壁をサナダゴケ属 Plagiothecium の蘚類が広く被っていた(alt 950m)。ルーペでみると細胞の幅がやけに広い。おそらくミヤマサナダゴケ P. nemorale だろうとは思ったが念のために少量採取してあった。 茎は匍い、長さ3〜4cmで緩く斜上する枝をだし、やや暗緑色で光沢のある葉を扁平気味につける。葉は長さ2〜2.4mm、卵形でやや凹み、漸尖して鋭頭、中肋を挟んで非相称、全縁で、乾燥すると縮れる。中肋は2本で葉長の1/2あたりに達する。葉身細胞は扁平な六角形で、葉中央部で長さ60〜110μm、幅15〜25μm、薄壁で平滑。葉先付近では小さく、葉基部では大きくなる。翼部は明瞭な区画を作らない。茎や枝の横断面で、表皮細胞は薄膜で髄部の細胞より小さく、弱い中心束がある。 朔をつけた個体もあったが、既に老化したものばかりで、朔歯や胞子の残っているものはなかった。腹面側の茎からは多数の仮根がでていて、葉先付近からも仮根を伸ばしたものが目立った。平凡社図鑑の検索表からはミヤマサナダゴケに落ちる。平凡社図鑑の属の特徴のところに「茎ははい,中心束はなく」とあるが、本標本ばかりではなく、以前に見たものにも茎の横断面には弱い中心束がある(標本No.1081, No.630, No.423, No.35)。 |
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