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先日のハマシメジ(雑記03年12月17日)と同日に持ち帰ってきた岡山産ハツタケが一つだけまだ冷蔵庫に残っていた(a〜d)。今朝はその胞子を覗いて遊んだ。胞子紋は昨日午後、スライドグラスの左右に2ヵ所、計3枚で6ヵ所に採取しておいたものを使った。 はじめに水だけでマウントしてみたがやはりとても見にくい(e)。これにフロキシンを加えて輪郭部に焦点を合わせてみると、油球らしきものがはっきりと分かる(f)。しかしベニタケ科の胞子といえばやはりメルツァーによる観察は必須である。またそうでないと表面の模様が浮かび上がってこない。まずは表面に焦点(g)、次に輪郭部に焦点(h)をすえて撮影した。 子嚢菌の場合は、メルツァー試薬の代用としてうがい薬のイソジンが有用であると以前の雑記(02年12月21日、同12月22日)に記した。また千葉菌類談話会通信No.19掲載の長尾英幸氏「うがい薬で調べる子嚢のヨード反応は?」も興味深い結果が記されている(同02年12月31日)。 上記雑記でも記したが、チチタケ属(Lactarius)に関しては代用はきかない。試みにイソジンを使ってみた(i, j)。胞子の表面の模様がほとんど染まらない。胞子表面の油脂成分を除去したらどうかと思い、アルコールで脱脂処理をしてからイソジンで染めてみた(k, l)。この反応はヒロハシデチチタケの場合とは異なる(同02年12月22日)。なお、染色を促進させるつもりでターボライターを使って熱処理を加えてもみたが、結果は全く変わらなかった。 また、KOHにイソジンを注ぐと脱色されて透明になってしまう。だから、KOHで前処理をしたものにイソジンを使ってみると全く染まらない。水でマウントしたときと同じ結果しか得られない。 |
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