2008年6月23日(月)
 
対物レンズ:40倍と油浸100倍
 
 今の時期、大形で端正なミヤマトンビマイがよくみられる(雑記2008.6.8)。このキノコ、ボタンイボタケやトンビマイタケなどに似通ったすがたかたちをしているが、若い菌は柔らかく、昔から食用にされてきた。もっとも、成菌になると硬くてとても食べられないが・・・・
 下の写真は、ミヤマトンビマイの落下胞子を、水道水(a, a')、メルツァー試薬(b, b')、フロキシン水溶液(c, c')で封入した時のものだ。胞子の形状やアミロイド反応がベニタケ類に非常によく似ているので、昔からベニタケとの関連性を指摘されてきた。これらの写真をみていると、オキナクサハツとかドクベニタケなど、ベニタケ類の胞子を思わせる。
 
対物レンズ 水道水 メルツァー フロキシン
40倍 (a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
油浸100倍 (a')
(a')
(b')
(b')
(c')
(c')
 ところで、対物40倍レンズを使い接眼ミクロメータで胞子サイズを計測すると大きな誤差がでやすい。40倍レンズはシスチジアやカサ表皮などを観察するには最適だが、胞子の観察には向かない。胞子の観察には、油浸100倍レンズを用いるのが原則だろう。

 胞子写真を掲載したついでに、ミヤマトンビマイのミクロの姿を、一部アップしておこう。
 

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 ミヤマトンビマイの横断面(0)や子実層の一部(1)、担子器(2)などをみた後、フロキシン消しゴム法で(雑記2003.9.18同2008.5.9)、菌糸型の確認をした(3)。原菌糸(4)と骨格菌糸(5)からなる二菌糸型(dimitic)だった。原菌糸には隔壁があり、骨格菌糸に隔壁はない。

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