2010年4月21日(水) |
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狭山湖南岸の公園でサクラの腐朽木にグロテスクな子嚢菌が多数ついていた(a〜c)。中でも最も大きく育っているものばかりを5〜6個体持ち帰ってきた。願わくは子実層が充分成熟していることを・・・・。横断面を切ってみると子実層以外の部分がとても厚い(d)。
ほとんどの子嚢が未成熟だ(e, g)。子実層托や托外皮の構造は絡み合い菌組織で、子嚢は非アミロイド(f)。あちこちから子実層を切り出してみると、ようやく一部の個体にだけごくわずかに子嚢胞子がみられた(h)。しかし、いずれも未成熟で胞子はまだほとんど平滑な楕円形のものばかり(h)。よくみると表面模様ができかかっている胞子がある(i)。
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(a) |
(b) |
(c) |
(d) |
(e) |
(f) |
(g) |
(h) |
(i) |
(j) |
(k) |
(l) |
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胞子の表面模様をより鮮明に見ようとフロキシンで染めてみた。しかしKOHで封入すると、表面の模様はほとんど消失してしまった(j)。あらためて水で封入して合焦位置を変え胞子をみた(k)。胞子紋は全く落ちなかった。何日か室内に放置しておくことにした。
これはたぶんオオシトネタケだろう。フクロシトネタケやオオシトネタケの子嚢胞子は過去の雑記(2002.5.25、2003.4.30、2006.5.6、2008.6.13)で比較的鮮明な姿が捉えられている。子嚢菌の観察には充分成熟してやや痛み始めた老菌が必要なことをあらためて感じた。
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