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昨日栃木県の鶏頂山で遊んだ。まるで梅雨明けのようなカラっとした晴天の一日だった。山頂にいたる径の途中の沼で、ミズゴケからきのこが出ていた(c)。ヒダを見ると淡いピンク色で柄が捻れている。ミイノモミウラモドキなどに近い Entoloma (イッポンシメジ属) のようだ(c〜f)。 念のために慎重に基部から掘り出してみると、確かに柄の基部はミズゴケの茎の途中から出ており、周辺には白色の菌糸がまとわりついていた。胞子を見ると(f)、きのこはEntoloma にまちがいない。宿主のミズゴケは、目視ではオオミズゴケ Sphagnum palustre のようだ。 |
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今朝はまず、こけの正確な同定作業を行った。茎葉(g)、枝の表皮(i)、枝葉(h)の表皮細胞の背面(j)・腹面(k)・横断面(l)、茎の表皮細胞・横断面、枝の横断面などを調べてみた。オオミズゴケにまちがいない(サフラニン染色)。 わが国で知られるミズゴケは7つの節に分けられ、そのうちきのこの発生が確認されているのはミズゴケ節のものだけだ。ミズゴケ節には茎や枝の表皮細胞に螺旋状の肥厚があり(i)、それらのうち、枝葉横断面で葉緑細胞が三角形で腹面側に広く開出し、隣接する透明細胞の壁との間が平滑(l)なのはオオミズゴケの典型的な特徴だ。 過去に出会ったミズゴケ生きのこは Hygrocybe (アカヤマタケ属)、Galerina (ケコガサタケ属) が大部分で、Entoloma ははじめてだ(雑記2009.12.2、同10.5、同10.9、同5.25、等々)。 |
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