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日( )

2001年8月20日(月)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
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(d)
(d)
 去る18日に日光で採取してきたアンズタケとムラサキヤマドリタケを素麺の具にして食べた(a)。アンズタケは意外とダシの出ないきのこだ。以前は良いダシがとれるきのこと感じていたので思いがけなかった。それに対して、ムラサキヤマドリは似ても焼いてもやはり美味しいきのこだと思う。残ったアンズタケはピーマン、ナス、挽肉などと一緒に味噌煮にしてしまった(b)。これは案外いける。
 このところやっと涼しくなってきたので、中断していた青木図版の総索引作成作業を連日少しずつ続けている。写真(c, d)は池田和加男氏に製本していただいたたもので本格的な冊子に仕上がっている。杉山信夫氏や丸山厚吉氏の労作を参照しながら作業ができることは非常にありがたいが、なんといっても量が多いのでやはりかなり手がかかる。作業を続ければ続けるほど新たな疑問が次々にわき上がってきてなかなか捗らない。おまけに、Macintosh上での作業を強いられる仕事が入ってきて悩んでいる。マックの仕事はもうやるまいと決めて数年前に手持ちのマックを処分してしまったからだ。新たなPCは増やしたくないがMacが無いと仕事にならない。グズグズしているうちに納期は迫ってくるし、あぁ、どうしよう。

2001年8月19日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 昨日サンプルとして持ち帰ったヤシャイグチの胞子を4台の顕微鏡で覗き比べてみた。水だけで作った同一のプレパラートを使っての観察だ。胞子写真は以下の通りだ。
 (a)双眼オリンパスで油浸1000倍 ……双眼の生物顕微鏡[自宅のメイン機]
 (b)単眼オリンパスで油浸1000倍 ……単眼の生物顕微鏡[上尾のS氏所有]
 (c)単眼(外部光源利用)ニコンで油浸1000倍 ……単眼の生物顕微鏡[外部光源利用]
 (d)同上単眼ニコンで400倍
 (e)単眼ビクセン学習用顕微鏡で900倍 ……コンデンサも光源もない「小学生用」
いずれも撮影方法は、デジカメを自分の手で支えて接眼レンズ部に密着させる方法(f)をとった。比較のためにこれらの写真は、画像サイズを小さくしたのみで、画像処理ソフトなどでの加工は加えていない。なお、(e)だけは接眼部×15を使った。×10は口径があまりにも小さくて撮影不可能なためだ。
 胞子が案外大きいので、どこに焦点を合わせるかで胞子の見え方がずいぶん異なるが、いずれも似たような位置に焦点を合わせた。こうやって比べてみると、400倍までなら、光源を持たない小型の生物顕微鏡でも十分な性能を持っていることがわかる。しかし、油浸1000倍になると明るさも解像度も急激に落ちる。それでも、400倍までを使っている限りは十分日常の役に立ってくれる。
 また「おもちゃ」の学習用顕微鏡でも、カメラなどを通さずに見る限りは胞子表面の特徴まで明瞭に判別できる。しかし400倍を超えると激しい色収差と低解像度に悩まされる。撮影となると200倍あたりが限度だった。

2001年8月18日()
 
(a)
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(b)
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(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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(g)
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(h)
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(i)
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(j)
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(k)
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(m)
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(o)
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(p)
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(q)
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(r)
(r)
 早朝日光を歩いてきた。地元の人の話ではここ2週間ほど雨が降っていないと言う。例年見られるきのこがほとんど無いので、観察の場所をすこし変えると、結構色々なきのこがあり、2時間ほどのあいだに40数種類を数えることができた。
 コウジタケ(a)、ヤシャイグチ(b)、ヌメリニガイグチ?(c)、ヒメベニテングタケ(d)、カバイロツルタケ(e)なども見られた。(f)のウラムラサキはコンクリートの端から出ていた。そのすぐ脇にはカレバキツネタケ(g)、トガリツキミタケ(h)、ベニヤマタケ(i)などもあった。水流脇の倒木からはコチャダイゴケ(j)がきれいな姿を見せていた。ズキンタケ(k)、アンズタケ(l)はあちこちにある。
 以前戸隠で見た(2001/07/07)奇妙なきのこ(n〜r)とよくにたヒダだけのきのこ(m)があった。すぐそばにはチャヒラタケあるいはウスヒラタケがあるので、細菌か線虫等に冒されて奇形となったものだろうか。ヒラタケのヒダを裏返しにしてくす玉のように丸くしたとても美しい姿だ。ちなみに、(n)〜(r)は「今日の雑記」の7月7日に取り上げたものの再録だ。
 全般的にきのこがあまりにも少ないので、昼には自宅に戻っていた。今日の酒の肴はアンズタケだ。

2001年8月17日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
 修理に出していた三眼の顕微鏡だが、一通り修理が完了したという連絡があり今月中には戻ってくることになった。ここしばらくはオリンパスの双眼とニコンの単眼(a)を使っていたが、やはり写真を撮るには三眼が使いやすい。シスチジアなどを観察するだけなら、数十年前から使っていた学習顕微鏡(b)でも十分だが、胞子表面の様子やクランプの有無となるとやはり、ケイラー照明のついたまともな生物顕微鏡が必要だ。
 今日の写真に掲げた2台はいずれも光源を持たず外部照明に頼るタイプだ。(b)にいたってはコンデンサーも無い。小中学生などの夏休み観察などに使う用途にVixenから販売されたのだ。解像度の悪さと色収差にはてこずるが、この「おもちゃ」でも600倍まで見ることができ、これでも結構役に立ってきた。小学生以来、これまで何台の顕微鏡を買ったことだろう。でも未だに良質のプレパラートを作れないというのも情けない。課題は実体鏡無しでも30μm以下の切片を確実に作れるか否かだ。

2001年8月16日(木)
 
(a)
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(b)
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(c)
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(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 早朝大井町近くまで行ったので保護林を覗いてみた。数日前の降雨も埼玉県内の大部分の地域では「恵みの雨」にまではいたらなかったようだ。林下はすっかりカラカラできのこの姿はほとんど見られない。水分が足りないからだろうが、大型の菌類は全く見られない。わずかに観察できたのは小さな菌ばかりだった。クリゲノチャヒラタケ(a, b)、アミスギタケ(c)は何カ所かで見られたが、例年なら多量に出ているマツオウジは、大きくなれないまますっかり干からびて見る影もない。その中でも比較的ましなのが(d)だ。傘径6〜8mmほどの小さなきのこが材から出ていた。属種ともに不明だが、ヒダがあまりにもきれいだったので、2点ほど撮影した。(e)と(f)がそれだ。

2001年8月15日(水)
 
(a)
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(c)
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(d)
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(f)
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(g)
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(h)
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(i)
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(j)
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(k)
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(l)
(l)
 早朝近くの公園に行ってみた。道のすぐ脇のチップには手当たり次第にツブカラカサタケが発生していた。40株まで数えたがまだまだあるので、ばかばかしくなって数えるのはやめにした。真っ白なものから土褐色のものまであり、小さな幼菌から成菌、くたびれきった老菌までみごとにそろっていた。ジョギングやイヌの散歩の人たちが気味悪がっていた。これほど多数の群れが一度に出そろった姿を見たのは初めてだ。そんなわけで、きょうは(a)〜(f)までツブカラカサタケ尽くしとなった。
 芝生にはこれまた非常に多数のキコガサタケ(i)が発生しており、遠くから見るとクローバーの花がいたるところに咲いているように見えた。傘をひっくり返すときれいな黄褐色のヒダ(j)を見ることができた。少し木の茂ったやや薄暗い一角にはナラタケモドキ(g, h)が数カ所に大きな株をなしていた。その近くのチップにはヒトヨタケ科のきのこが無数に出ていた。(k)はヒメヒガサヒトヨタケによく似たとても小さなきのこで傘の径8mmほどだ。(l)はビロードヒトヨタケだろうか。他にも、ネナガノヒトヨタケ、クズヒトヨタケ、ワタヒトヨタケ、コキララタケ、ハタケチャダイゴケ、ハタケキノコ、アラゲキクラゲなどの常連のきのこを見ることができた。

2001年8月14日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
 昨夜は富士山で採取したコガネヤマドリタケ(c)を刺身で食べた。ムラサキヤマドリやススケヤマドリに比べるとかなり味は落ちる。さっと湯通しして薄切りにしただけの状態でビールの肴にしたものだ。
 今日は用事で所沢周辺を通ったので、航空記念公園を覗いてみた。きのこの姿はほとんど無く、わずかにツチヒラタケ(a, b)のみを観察できただけだった。昼頃に布村公一さん(菌学教育研究会)といっしょに寄った東村山中央公園もきのこの姿はほとんど無かった。ここ2日ばかり雨が降ったのでヒトヨタケ科、オキナタケ科の小型菌がかなりでているのではないかと思っていたがすっかりあてがはずれてしまった。

2001年8月12日()
 
(a)
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(c)
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 富士山に行って来た。ここも長いこと雨が降らなかったらしく例年なら出ているはずのきのこは圧倒的にすくなかった。8月11日から20日までスバルラインはマイカー規制で登れない。いつもの通り大多和林道から富士林道、軽水林道と走って幸助丸下を周遊してきた。林道は通行止めの標識こそあるものの周遊できた。
 ハナビラタケ(a)、フジウスタケはあちこちにあった。フジウスタケの幼菌(b)、若い菌(c)、成菌(d)と品評会のようだった。ドクヤマドリ(e)、コガネヤマドリ(f)はいたるところに出ていた。サクラホウキタケ(g)、クロチチダマシ(h)、キイボカサタケ(i)、フサクギタケ(j)といったきのこは富士山にはとても多い。ツルタケ(k)、ドクツルタケ(l)、ニカワホウキタケ(m)も踏みつぶすほど出ている。
 今日気に入ったのはロクショウグサレキン(n)、シロスズメノワン(o)、ニカワジョウゴタケ(p)だった。富士山では陳腐化するほどみることのできる美しいトマヤタケ(q)や全体がとても赤いイグチ(r)も腐るほどみることができた。(r)は確か高橋春樹氏が日本新産種として報告されていたきのこだと思う。
 静かで人気の少ない楽しい一日だった。クロカワ、オオモミタケといった富士山の常連にこそ出会えなかったが、他にもヒロハチチタケ、クサイロハツ、ススケヤマドリ、ブドウニガイグチ、ニオイカワキタケなど数多くのきのこに出会うことができた。帰宅してコガネヤマドリを刺身にビールで乾杯をした。今回は食用きのことして持ち帰ったのはコガネヤマドリタケとススケヤマドリだけだった。

2001年8月11日()
 
 ふだんの自分の観察地域はどこもすっかり乾燥しきっていてきのこは面影もない。でも二人三脚(大熊さん)のページをみると、城山湖の周辺ではそこそこにきのこが出ている様子だ。どこに行ってもきのこの無い今、ずっと課題となっている青木図版総索引の件を少しでも進行させていけばよいのだが、あまりの暑さで全く捗らない。本格的な作業はやはりもう少し涼しくなるまでまとう。それより、日曜日にはふだんとは別の地域に行ってみようかと思う。

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