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ここしばらく面倒な仕事でほぼ終日忙殺されているので、なかなか他のことができない。気分転換に、先日日光で採取してきたホシアンズタケの液滴を顕微鏡で覗いてみた。 ホシアンズタケは乾燥が続いている時でも柄の周りにワイン色の液滴(f)を多数帯びていることが多い。傘はむろんヒダまで厚いゼラチン質に覆われている。そのため乾燥には強いかもしれないが、胞子散布ということではかなり不利となる。ちなみに、傘を紙の上に置いて胞子紋をとってもほんのわずかの胞子しか採取できない。 液滴の役割は何だろうか。胞子散布にも一役かっているのではあるまいか。となると、液滴には相当量の胞子が含まれているはずだ。先日の日光で注射器を使っていくつもの個体からtotalで3cc程の液滴を集めてきた。今日仕事で疲れた頭を休めるつもりで液滴をスライドグラスにたらして顕微鏡で覗いてみた。100倍で見たのが(a)〜(c)である。天然にはこんな姿をしてはいないのだろうが、おもしろい様に胞子が繋がっていた。400倍でみると(d)のようになっていた。さらに1000倍で見ると(e)ののような姿がみられた。今回は染色はいっさい行っていない。またカバーグラスもかけないでの観察だった。 |
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仕事の合間に近くの公園に行ってみるとフクロツルタケ(a)が出ていた。他にはベニタケ科のきのこなどが泥で汚れきった状態で開いていた。さいたま市の秋ガ瀬公園は先日の台風通過に伴う大雨ですっかり冠水してしまい、地肌が非常に汚い。河川敷に作られた公園だけに異常増水には弱い。草や木も高さ40cmほどまでは泥で汚れきっている。むろん地上性のきのこはほとんど見られなかった。わずかにブヨブヨになった硬質菌がわずかに倒木にへばりついているのみだった。立木や立ち枯れの樹木などにも硬質菌のみしかみられなかった。汚れきった彼岸花だけがとても目立った。 | ||
非常に面倒なデータ処理の仕事が入ってきた。データ量が非常に多くとても難しい処理が必要だ。一括処理や正規表現を活用したプログラミングだけではどうにもならない。MS-DOSとLINUXの両方の世界を行きつ戻りつしながら、根気と繊細な注意力の必要な「力仕事」が避けられそうにない。この仕事が一段落しないと、安心してきのこにも取り組むことができない。今日は顕微鏡を覗いている暇が全くなかった。ここ数日は仕事に全面集中せざるを得ないので、しばしはこの雑記更新も滞りがちになるかもしれない。 | ||
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9月15日の日光での観察種についての補足である。当日見た珍菌について仙台のAさんからメールで連絡があった。それによると一つはヘタタケ(Camarops petersii(Berk. et Curt.) Nannf.)という黒いきのこであり、今ひとつはツノシメジ(a, b)であることが判明したという。残念ながらヘタタケの方は撮影しなかったが、ツノシメジはカンバからでておりとても大きな個体だった。他には繊細なシラウオタケ(c)、ナガエノチャワンタケによく似ているが、子嚢盤の外面にも柄にも軟毛のないツルツルの菌(d)、モエギビョウタケ(e)、オオカボチャタケ(f)などもあった。 昨夜から今朝にかけては、採集してきたきのこを調理して食べた。(g)はハタケシメジの炊込ご飯、(h)はカワムラフウセンタケ、ナラタケを鶏肉などと一緒に煮物にしたもの、(i)はニカワハリタケの酢の物、(j)はニカワウロコタケの酢の物、(k)はクリタケ、カワムラフウセンタケとネギ、豆腐を入れた味噌汁だ。案外美味しく食べられた。でも、ニカワウロコタケはシロップ漬けなどの方があうように思う。 |
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Aさん、Gさんらとは朝食後に宿舎で別れ、昨日とは別の場所を観察してから帰宅した。早朝モミの林に行ってみるとモミの倒木からサンゴハリタケ(a)がでていた。図鑑類によるとほとんどが「広葉樹の材を白く腐らせる」とか「広葉樹にでる」とある。もしかしたらサンゴハリタケも幾つかに分けられるのかもしれない。同じ倒木の根本にはサマツモドキ(b)もでていた。少し先のブナにはキララタケ(c)が大きな群落を作っていた。また、雑木林にはコウモリタケ(d)、カワムラフウセンタケ(e)、アシボソノボリリュウタケ(f)なども出ていた。この日も観察できたものだけでも30種以上、撮影したものも20種以上にのぼった。 | |||||||
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仙台のAさん、東京のGさんと共に、ニカワウロコタケ調査のため、日光に行って来た。幸い幼菌から成菌、老菌まで多数のニカワウロコタケ(a, b)を観察できた。ホシアンズタケ(c、d)、シイタケ(e)、ハナイグチ(f)、ハタケシメジ(g)、オシロイシメジ(h)はあちこちにあった。小さなサンゴハリタケ(i)もあった。オドタケ(j)がミズナラでなくハルニレから出ていた。シロヌメリイグチ(k)、ナラタケ(l)はあちこちにある。特にナラタケは、いわゆるナラタケ、キツブナラタケ、クロゲナラタケなど色々なものがあった。 |
インターネット接続環境を Flet's ISDN からケーブルネットに変更した。大きなファイルなどのダウンロードは確かに気楽にできるようになった。なによりも、画像のアップロードに要する時間が短縮されることになったことがありがたい。でも、よいことばかりではない。これに伴ってメールアドレスの変更やらルータの設定変更、メールソフトの設定変更など、いろいろと煩わしい作業が発生した。 先週の土曜日と今週の水曜日の両日に採取した標本用きのこを忙しさにかまけて、とりあえず冷蔵庫の野菜籠に入れておいたのだが、これが失敗のもとだった。今日たまたま取り出してみるとほとんどが虫に食われたり腐敗しており、もはやサンプルとしての価値は皆無となっていた。特にイグチの仲間がひどかった。すぐに乾燥処理をしなかったことが悔やまれた。またまた、反省の日々となってしまった。 |
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きのこ屋さん(高橋氏)と二人で富士山に行って来た。昨日の台風の影響だろうか、倒れたばかりと思える倒木が増えていた。撮影したキノコはホウキタケ(a)、キンチャワンタケ(b)、タマゴタケ(c)、ヤギタケ(d)、トビイロノボリリュウタケ(e)、クロカワ(f, g, h)、チャヒメオニタケ(i)だけだった。クロカワは多数出ており虫の入っていない良質のものを少量持ち帰って付け焼きにして(j)酒の肴にした。ホロ苦みがとても美味しい。オニナラタケは煮物(k)に入れた。他にも、クロラッパタケ、ショウゲンジ、ツルタケ、キタマゴテングタケ、ドクツルタケ、フサクギタケ、ヌメリササタケ、ベニタケ科のきのこ、フウセンタケ科のきのこなどに出会った。 | ||||||||||||
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