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(その2) 鉾田町にて |
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鉾田町で砂浜の水際からほとんど離れていない地点、つまり波打ち際近くにヒトヨタケ科と思われるきのこが多数発生しているのに驚いた。すべて同一種と思われるが、(n)およびそのヒダ(o)、(p)およびその裏面(q)がそうだ。胞子(r)を見ると褐色で11.5〜13×6〜7.5μmほどのサイズで、担子器(s)は4胞子型、シスチジア(t)は案外小さく比較的少ない。(u)はヒダ実質の部分で、左側がヒダ先端になる。これまでは、まさか波打ち際近くの砂浜にハラタケ目のきのこが発生しているなんて考えても見なかったのでこれには驚いた。ヒダには砂を沢山噛んでいるので胞子やらヒダ実質を観察するのにかなり苦労してしまった。 | |||||||||
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茨城県の海岸線を波崎町から北上して、鉾田町まで歩いてきた。シモコシ(a, b)は結構な量が採れた。久々の大収穫となった。マツバハリタケ(c, d)も多数採れたので、一部を付け焼きにして食べ、残りは乾燥保存に回すことになった。ハツタケ(e)、ヌメリイグチ(f)も出ている。ハマシメジ(g)らしききのこもかなり出ている。柄がとても長い(h)のは砂が柔らかいからだろうか。これらは、もしかするとクマシメジかもしれないが確認するすべがない。ヌメリツバタケ(i, j)がすっかり乾燥していた。スナヤマチャワンタケ(k)は幼菌から老菌まで百個体以上観察できた。ちょっと歩けば踏んづけそうになるほど発生している。浜のクロマツ林にはササタケ(l)がいたるところに出ている。今日の夕食はシモコシを主体とした鍋ものとなった。 | |||||||||||||
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さすがにキノコの姿がすっかり消え失せてしまった。今日のさいたま市大宮公園では、いまだにコガネタケ(a, b)が10本ほど出ていた。大きなものは踏みつぶされて小さな個体ばかりしか残っていない。ヒトヨタケ科と思われるきのこが落ち葉の中から多数出ている(c)。傘の径30〜60mm、柄の長さ60〜80mmほどで、柄の先端は白毛に被われて落ち葉についている。ただ、胞子(d)のサイズが13.5〜19×8〜13.5μmととても大きく、クランプは見つからなかった。全く別の場所にやはりヒトヨタケ科らしきキノコがちらほらでている(e, f)。これは傘径5〜10mm、柄の長さ15〜25mmほどのとても小さなものだ。ところが胞子(g)をみると、15〜23×9〜14.5μと(c)の胞子よりもさらに大きい。これもやはりクランプは見つからない。採取した時はナヨタケ属かと思っていたが、どうやらそうではなさそうだ。これらの他にはきのこらしき姿はほとんど見かけなかった。 | ||||||||
きのことの関わり方の一つとして、アマチュアの中にも顕微鏡を使う人がずいぶん増えてきた。そうなると、きのこを観察したり同定するにあたって顕微鏡を活用しない手はない。胞子を見るだけでも種の同定にかなり役立つことがある。また、薄い切片を切り出して組織のプレパラートを作成することに比べると、胞子を観察するほど簡単なことはない。ただ、スライドグラスなりカバーグラスに胞子を落とす、つまり胞子紋をとればよいからだ。 そんなことを考えて「きのこの話題」コーナーに「胞子紋のこと」をアップした。 |
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すっかり風邪に捕まってしまった。ひどい頭痛、クシャミ、喉痛と熱発を抱えた状態で越後の浜を散々歩き回ったためにすっかりこじらせてしまい、この「今日の雑記」も今日になってやっとアップした。出かけた時でもたいていは現地でその日のうちに記録をアップするのだが、今回ばかりはダメだった。13日[その1]、13日[その2]、14日は今朝記述したものだ。このため14日にいたっては出会ったきのこはかなりあったにもかかわらず、撮影したのはたった1枚となってしまった。雨と体調不具合のためカメラを出すのが億劫でどうにもならなかった。 | ||
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越後の海沿いは早朝からひどい雨である。村上市、中条町、紫雲寺町、寺泊町とそれぞれ砂浜を歩き回った後、柏崎まで行って、刈羽原発近くの防風林をちょっとだけ覗いてから帰宅の途についた。紫雲寺町の海浜公園にはベニタケ属、モエギタケ属のきのこが無数に出ていて驚いた。柏崎の防風林ではヌメリイグチ、シモコシ(a)、シロカノシタ、トキイロラッパタケなどが多く見られた。この日はほとんど撮影をしなかった。夕方になって柏崎を後にした。 | |||
[その2] |
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新潟市の北の中条町の海岸では多くのきのこの姿を見ることができた。いたるところにあるのがニセマツカサシメジ(na, nb, nc)とマツカサキノコモドキ(nd, ne)だ。どちらも掘ってみると松ぼっくりにつながっている。アカマツ・クロマツ混じりの林に入るとチャヒメオニタケ(nf, ng)、イチョウタケ(nh, ni)、アカササタケ(nj, nk)が随所に多数見られた。砂浜ではツノマタタケ(nl, nm)の出ている流木があちこちに転がっている。浜と林の境目付近にはチチタケ属(no)、フウセンタケ属(np, nq)、ショウロ科(nr)のきのこが目立った。 | |||||||||||||||||||
[その1] |
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新潟県の海辺を歩き回ってきた。海岸線に出る途中、長岡市の公園に寄った。ここも雨の中だ。ツチグリ(a)が三つ揃って並んでいた。エリマキツチグリ(b)は大群落をなしていた。モエギタケ(c)の多くは脱色されたような色になっている。ハナイグチ(d)はまだまだ多数出ている。とてもサイズの大きなアカチシオタケ(e, f)が杉からでていた。その中に傘の径が8〜10cmほどもある大きな個体もあった。(i)はその柄の根元部分だ。ハダイロガサ(h)、スギエダタケ(i)はとても沢山見ることができた。他にも、十数種類のハラタケ形のきのこを観察することができた。ここではまだまだきのこは豊富にでている。 | |||||||||||
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裏高尾を歩いてきた。きのこの姿はいたって少ないが、小振りのハタケシメジ(a, b)が多数あった。タマキクラゲ(c)やロクショウグサレキン(d)は相変わらずあちこちにある。竹林の落ち葉からキシメジ科ムラサキシメジ属らしききのこ(e, f, g)が大きな菌輪をなしていた。傘の径は8〜16cmほどある。胞子(h, i)は非アミロイドで表面は平滑(撮影は失敗しているが)、サイズは7.5〜9×5.5〜6.5μm、またヒダの細胞からはクランプはみつからない。となるとlepistaではないのかもしれない。 | |||||||||||
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