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日( )

2001年12月25日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 昨日と今日の2日間、千葉県の浜辺をぐるっと回ってきた。内房の富津岬をかわきりに館山の相浜、千倉町の瀬戸浜、御宿町の月の砂漠、一ノ宮の浜、白子から蓮沼までの九十九里浜を歩いた。24日は寒さに震え、25日は終日雨だった。富津市の富津岬や新舞子浜ではスナジクズタケ(a, b)が出ていた。スナヤマチャワンタケ(c, d)は内房では全く見られなかったが、館山市の浜辺から九十九里の浜辺まで広く分布している。
 これまでは一ノ宮町だけでしかみられなかったコナガエノアカカゴタケ(e, f)を新たに白子町の浜辺で見ることができた。今日は新鮮な個体には1個体しか出会えなかったが、数日前に10個体以上が出ていたらしき痕跡を見た。周辺には、やや時期を失して白っぽくなった個体が10数本転がっていた(g, h)。もしこれらの個体だけを見たらまるでキアミズキンタケのようにみえただろう。さらにていねいに時間をかけて探せば多分もっと顔を出していることは間違いない。
 今日あきれたのは浜辺の流木から立派なシイタケ(i)、スエヒロタケ(j)がでていたことだった。最初は目を疑ったが間違いなくそれは立派なシイタケだった。

2001年12月22日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 近場ではこのところずっと、エノキタケやらアラゲキクラゲ、ネナガノヒトヨタケなどの決まりきったきのこしか見ていない。そのため何となく撮影する気になれずにいた。しかし今日はこれらのキノコの元気な姿をアップすることにした。昨日の雪の薄化粧がまだわずかに残る見沼地区ではあちこちにアラゲキクラゲ(a, b, f)、エノキタケ(c, d, e, f)、スエヒロタケ(g, h)、ハタケチャダイゴケ(i, j)などが多数でている。他にはネナガノヒトヨタケ、エゴノキタケ、チャカイガラタケ、カワラタケ、カイガラタケ、チャコブタケなどがよく目立った。今日はいつもの常連のヒラタケには出会えなかった。

2001年12月15日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(d)
(d)
 去る12月6日に見た柄の赤い腹菌を再び確認するため、親しいきのこ仲間4名で九十九里浜を歩いてきた。今日は2個体しか確認できなかったが、しっかりと海辺の砂の中から顔を出していた(a)。砂を掘って半分どけた上、霧吹きで汚れを取り去って撮影したのが(b)だ。今ひとつの個体は白い卵状でとても長い「根」をもっていた。京都の吉見昭一先生から返事では、このきのこはコナガエノアカカゴタケ(Simblum sphaerocephalum)にまちがいなさそうだ。先日吉見先生にお送りした標本2個体はまだ十分成熟していなかったので頭部の網目がまだできていなかった。こういった形態的な面は写真から判断されたそうだ。いずれ「よい標本」を再び採取し改めてお送りすることが必要となった。他にはスナヤマチャワンタケ(c, d)を観察した。今日採取したコナガエノアカカゴタケはタッパウエアに入れてしっかり蓋をしたのだが、車内で蓋を開くと鼻を突くような強い臭気が一面に漂って、寒い外気に震えながらも換気せずにはいられなかった。
 夕方、コナガエノアカカゴタケの頭部(e)の写真が、今日同行した坂本晴雄氏からとどいた。これを見ると、確かに篭状でなく網目になっていることがよくわかる。

2001年12月9日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
 今年はホシアンズタケ(a)が大豊作の年だった。出会った折りに非常にわずかずつしか採取しなかったにもかかわらず、結果的には瓶詰めができるほどの量となった。ビンから出してガラス容器に並べたのが(b)で、左側がヒダの面、右側が傘表面である。両面ともに独特の質感を持ったヌメリに厚く被われている。フルーツポンチの缶詰を開けてホシアンズタケを入れて味わった。(c)と(d)がそれだが、非常に美味しくたべられた。コリコリしたナタデココ入りのフルーツポンチのような味である。
 内外を問わず多くの文献で「ホシアンズタケは苦みがある」と記述されているが、これは正しくない。中には軽い苦みをもった個体もあるが、どちらかというと大部分は全く苦みを持っていない。文献や図鑑記述者の大部分がホシアンズタケを食べていないはずだ。引用した文献に「苦い」とあるのでそのまま記述したに過ぎないのだろう。一般的に、食用にできるほど多量には採れないきのこについての記述は当てにならないと思っている。それにしても、「非常に希」とされるきのこを食べられるとは、贅沢な話だと思う。

2001年12月6日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 雨の浜辺を歩いてきた。千葉県九十九里浜の砂浜に着いたのはam7:00頃で、ひどい雨だった。長生村の浜辺ではスナヤマチャワンタケ(a, b)を多数確認することができた。松林にはニセマツカサシメジやハマシメジ(?)があった。次に一ノ宮の浜辺に移動すると、ここにもスナヤマチャワンタケ(c)が出ていたが数は少ない。防風林の黒松林にはハマシメジとショウロ(d)が出ていた。一緒に写っているのはマツカサキノコモドキだ。近くにはシモコシなども出ていた。(e, f)は波打ち際近くに出ていたきのこだが、分類上の位置などはよくわからない。
 ひどい雨の浜辺を傘をさして亀の歩みで足下を見ながら歩いていると、アカダマスッポンタケかな、と思われる腹菌類にであった。残念なことに雨のために直立している個体はほとんどなく大部分は砂浜で倒れていた。(g)は袋の部分を掘り出したものだ。(h)は別の個体の頭部、(i)は頭部が異様な形をして砂浜から顔を出していた個体で、それを掘り出したみたのが(j)で、複数のタマゴが地中でつながっていた。(k)はこの腹菌類の卵であり、二つに切断したものが(l)だ。十数ヵ所で計20個体以上を確認できた。アカダマスッポンタケ(Phallus hadriani)ではあるまいかと思ったが、どうやらコナガエノアカカゴタケ近縁種のようだ。京都の吉見昭一先生と電話で話したところ「いずれにせよ貴重なものです。すぐにでも送ってください。」とのことなので、明日にでも写真とサンプルを送ることにした。目的のきのここそ見つからなかったが充実した一日だった。

2001年12月2日()
 
ヤグラタケの厚膜胞子
ヤグラタケ
の厚膜胞子
ヤシャイグチ
ヤシャイグチ
 
←長岡の大野正明さんの
 HP掲載の電顕写真より
 
 きのこ仲間のSさんから興味深いホームページを教えたもらった。「きのこ図鑑1(胞子ときのこ)」、「きのこ図鑑2(胞子ときのこ)」というページだが、電子顕微鏡による胞子写真がそれぞれ90種ほど取り上げられている。ふだん光学顕微鏡の世界でしか知らない胞子の素顔を電子顕微鏡でみるとこんなにも興味深い姿をしていたのかと驚かされる。この図鑑は長岡技術科学大学の吉川研究室のサイトから入るようになっていて、きのこ図鑑の内容は大野正明さんが著述されている。それにしても電子顕微鏡を身近に使用できる環境にいるとは、なんともうらやましい限りである。
 図鑑1、図鑑2ともに全く別個に独立しており、山渓「日本のきのこ」の並び順に沿って配置されている。現在は、図鑑1と図鑑2とが全く別個のサイトとなっていてリンクもなく相互に行き来することができない。表紙としてのトップページがあって、そこから図鑑1と図鑑2に入れるようになるともっといいのに、と思うのは私だけはあるまい。また、ナラタケのように同じきのこが1にも2にも掲載されていて記述が異なっているのはサンプルが別個のものだからだろうか。これらなどは一ヵ所にまとまっているともっと見やすいのだが...。来年春には図鑑3がアップされるようだが、こういった要望が反映されているとありがたい。

2001年12月1日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
←昨日のモエギタケを
今一度覗き直してみた
 久しぶりにさいたま市の見沼地区に行ってみた。シロフクロタケ(a)が草むらから出ていた。チップからは相変わらずたくさんのネナガノヒトヨタケ(b)が発生している。別の場所ではニガクリタケ(c, d)が美しい姿を見せている。やや干からびてはいたがナヨタケ属(e)らしききのこがあった。根元は白い毛に被われている(f)。
 まだ暗い早朝、昨日のモエギタケ(g)からヒダの切片を多数きりだして、これをKOHでマウントしてプレパラートを何枚も作り、改めてクリソシスチジア探しをした。切り出したヒダ切片(h)をマイクロメータではかると厚みは35〜45μm、しめしめ切片の切り出しはうまくいった。これならばクリソシスチジアがあればほとんど重なることなく見ることができるはずだ。カバーグラスをかぶせるとその重みで、細長い楔形が幅広の楔形になった。1枚のスライドグラスを左右2箇所に分けて、それぞれの場所に若い菌と成熟した菌の両者のヒダを並べてカバーグラスをかぶせた。これをまず対物×10で覗いて(j)、目的のものがありそうな部位を探してみた。それらしき場所を何ヶ所か見当を付けて、対物×40にして覗いてみたが、やはりクリソシスチジアはみつからなかった。同じ場所でサンプルを採取したきのこ屋(高橋)さんはクリソシスチジアを何ヶ所も見つけたという。

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