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日( )

2002年2月28日(木)
 
(a)
(a)
 一昨日(26日)採取したマユハキタケの胞子をのぞいてみた。(a)のように球形に近い楕円形をしており、その表面に5〜7本ほどの線状の隆起がある。サイズは6.0〜7.5×5〜6.5μmほどで褐色をしている。昨年(2001/5/18)観察したマユハキタケでは胞子はもっと細身の楕円形をしていた。今回は幾つもの未熟個体を採取したので、きっと胞子嚢が見られるのではないかと楽しみにしていたが、とうとう見つけられなかった。類球形で成熟すると消失するというが、これまで見たことがないので一度は見てみたい。
 このところ顕微鏡の解像度がとみに悪くなっている。昨年はマユハキタケ胞子表面の模様がとても明瞭に見えたのだが、今回は手持ちのどの顕微鏡でみても鮮明な画像を得られない。レンズ・プリズムなどの汚れだけではなく黴が生えているかもしれない。自力で整備できる力が無い以上、近々専門家にメンテナンスを依頼しなくてはならない。こんな時は「八王子のきのこ」のOさんがうらやましい。

2002年2月27日(水)
 
 昨日の小さなキシメジ型のきのこ(g〜k)について補足しておこう。見つけたときはセンボンクヌギタケ(Mycena laevigata)と思い全く疑っていなかった。ところが、同じものが広葉樹の朽木やらタブの老木からも群生している。念のために、手持ちの霧吹きで濡らしてみても傘に全くヌメリがない。疑いだしたのはこのあたりからだ。
 マユハキタケ観察で2時間ほど現場に滞在したので、この間に胞子紋をとると白、さらに簡易顕微鏡でみるとやや小ぶりであるが胞子は問題ない。メルツァー反応をみるがほとんど着色しない、つまり非アミロイドだ。しかし図鑑類でMycena laevigata (Lasch) Quel.の記述をみるとdextrinoid(red-brown)つまり偽アミロイドとある。帰宅後に、傘の肉やヒダを多数切り出してクランプ探しをしたが、結局見つからなかった。センボンクヌギタケならクランプがあるはずだ。
 とりあえず同定できない不明種として掲載したが、単純なセンボンクヌギタケかもしれない。もしかしたら、切り出した切片にたまたまクランプが見つからなかっただけなのか、あるいは探し方が悪かったのか。メルツァー反応も液が少なくて大雑把すぎたのか。

2002年2月26日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
 マユハキタケに逢いたくて、ただそれだけを目的として房総半島中央部まで行って来た。目的地に着くとすぐに数十個体のマユハキタケ(a〜d)に出迎えられた。7,8本のタブに大小いろいろな状態で顔を見せてくれた。特に(c)の個体は高さ2.5cm、長径3cmほどの大きなものだった。他の大部分の成菌は高さが1.2cmから1.5cmほどだ。
 同じ斜面の足下をよく見ると、木の葉や木の実などの間に白い菌糸が広がっており、所々に橙色の小さな子実体様のもの(e, f)を作っていた。これは直径0.8mm、高さ0.6mmほどの大きさだ。また付近の倒木からは(g, h, i)の様な小さなきのこが多数出ている。傘径8〜12mm、柄の径1.5〜2mm、柄長20〜30mmほどで、足下には白い毛が(k)ついている。簡易顕微鏡で胞子を覗くと(j)のような形をしており5.5〜6×3〜4μmほどの大きさだ。胞子紋は白、胞子は非アミロイドでクランプはない。いろいろ調べてみたがよく分からない。一ノ宮、白子の砂浜にはきのこは全く見られなかった。

2002年2月23日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
 所沢市の航空公園もすっかり干上がっている。でも落ち葉をかき分けるとあちこちにマツカサキノコモドキ(a, b)がでていた。キンカクキンの仲間はほとんどなく、チャカイガラタケやらエゴノキタケばかりがやけに目に付いた。キクラゲ、エノキタケなどはすっかりカラカラに乾ききっている。

2002年2月21日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
 昨日午後、日野市に住むI氏を訪問し楽しい時を過ごした。齢80歳を越えて最近は衰弱が激しくほとんど外出できない状態となってしまった。この日も、持っていったきのこからプレパラートをいくつも作り顕微鏡を覗いて楽しんだ。話題はいつしかきのこを離れてシソ科植物に及んだ。時節がらシモバシラの氷華がメインテーマとなった。I氏の撮影した氷華はかつて「国立科学博物館ニュース」の表紙を飾ったこともある。
 そのシモバシラもたまにテレビなどで話題となるが最近ではほとんど見ていない。写真(a, b, c)のものは97年11月8日に栃木県の川俣湖畔でバカチョンカメラを使って撮影したものだ。この氷華だが、以前は皇居、明治神宮、高尾山、奥武蔵などで決まって見ることができた。シモバシラでなくとも、四角い茎を特徴とするシソ科植物なら、条件さえ整えば広い範囲でみることのできるものだ。それだけ温暖化が進んでいるのだろうか。晩秋から初春のきのこの発生状況をみているとついつい考えてしまった。
 このシモバシラや氷華の美しい姿を掲載したHPは数多いが、きのこ関係HPでは大熊さんの「二人山脚」でも98/11/22に神奈川県大マテイ山で観察されたシモバシラを取り上げている。今シーズンもついにシモバシラの氷華を見ることはできなかった。ナメコやエノキタケのすぐ傍らで目を楽しませてくれた氷華だが、次第に首都圏では幻になってしまうのだろうか。
 今日は都内目黒まで用事があったので、都立林試公園に寄ってみた。ツバキからキンカクキン(d, e)が出ていたがやはりまだ小さなものばかりだった。コブシやホオノキなどのキンカクキン類には出会えなかった。

2002年2月19日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
 川口市安行地区の梅林に寄ったついでにヤブツバキの樹下を覗いてみた。ツバキキンカクチャワンタケ(a, b, c)が出ている。白い花を付けるツバキに出るタイプのものだ。最盛期はこれから4月頃までだろうか。帰路、見沼地区を通るとチップからネナガノヒトヨタケ(d, e)が相変わらず出続けている。同じチップには数日前からアメーバー状のもの(f, g)が数ヵ所に見られる。最初山積みされたものの下の方に1個体だけだったが、今日は4ヵ所ほどに見られた。移動しているらしく位置が少しずつ変わっている。変形菌アメーバーなのだろうか。撮影はしなかったが、おなじみのアラゲキクラゲ、エノキタケ、ハタケチャダイゴケらも元気良く育っている。

2002年2月17日()
 
 ここしばらくほとんどフィールドに出られない状態が続いている。わずかな時間を利用して早朝や夕方に近場の観察を続けているが、相変わらずキクラゲ、アラゲキクラゲ、エノキタケ、ヒラタケ、シイタケ、タマキクラゲ、スエヒロタケ、ハタケチャダイゴケ、硬質多孔菌類ばかりでおまけにあまり状態もよくない。撮影にも全く力がはいらないので、結局、今日も写真のアップはやめにした。
 昨年はこの時期に発生を確認していたキンカクキン類も今年はまだ見ていない。科博の菌学講座も終了してホットしたのも束の間、会報・会誌などの編集作業に伴うヤボ用なども何故か今の時期に集中する。とりあえず今日は菌懇会の総会だ。久々に懐かしい顔にも会えるかもしれない。いや、会えると楽しいなぁ。

2002年2月10日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
 早朝から夕方までずっと千葉県九十九里浜と茨城県鹿島灘の海岸を歩いてきた。この時期浜辺のきのこは非常に少ないが、一ノ宮町海岸ではスナヤマチャワンタケ(a)、蓮沼村海岸では流木からシイタケ(b〜d)が出ていた。(b)のシイタケはやや干からびており裏面(c)はすっかり砂まみれだった。(d)のシイタケは新鮮な食べ頃のものだ。流木にシイタケというのは珍しいが、スエヒロタケはしばしばみられる。今日は途中から浜辺も雪となり凍えながら砂の上を徘徊してしまった。神栖町の町営浴場「ゆらら」で体を温めてから、再び鹿島灘の浜を歩いたり、タブの木を求めて浜の段丘地帯を探索して帰ってきた。

2002年2月9日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 早朝の見沼地区を歩いてみた。ハタケチャダイゴケは相変わらず次々に新しい子実体を発生させている。ここではほぼ通年見ることができる。成菌(a)、幼菌(b)、老菌(c)を同時に多数観察できる。木材チップからのヒトヨタケ科のきのこの発生はとても少なくなってきた。しかし、ネナガノヒトヨタケ(d)、クズヒトヨタケ(e)は元気がよい。エノキタケ、キクラゲ、アラゲキクラゲは干からびた状態のものがずいぶん増えた。みずみずしい状態のものはとても少ない。また馬糞からはまだ何もでていない。
 先週あたりからクズヒトヨタケ近似種として扱っていたきのこは、どうやらクズヒトヨタケとしてよさそうだ。柄には不完全なツバをもつものがあり、胞子(f)は共通して、8.5〜10×5〜8μmほどの五角形的な球形をしている。中にはハート形に近いような球形のものも含まれている。クズヒトヨタケとナガエノヒトヨタケの傘表面とヒダ切片を観察しようと、強風の吹きすさぶ現地でプレパラートを作成して持ち帰った。しかし、結果はほとんど役に立たないクズプレパラートばかりだった。おまけに、紙袋に入れて持ち帰ったサンプルは溶けてしまっていたり、つぶれきって紙にへばりついていたりの状態であった。溶けるきのこやらもろくて小さなきのこの観察は難しい。

2002年2月7日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
 昨日採取したタマキクラゲを熱湯でさっと湯通してから(a)、蜂蜜とシロップをかけて(b)食べた。ゼラチン質のきのこはデザートに合うものが多い。タマキクラゲやヒメキクラゲは、見た目は悪いかもしれないがあんがい美味しい。
 このシロップ漬けをほおばりながら、プロバイダ上に「きのこ雑記」が今現在占有しているディスク容量(c)を調べてみた。複数のプロバイダを利用しているので、それらの合計値である158MBを円グラフにしてみた。写真ファイルだけで142MBを占めている。HTMLファイルなどはわずかに16MBに過ぎない。ちなみに掲載している写真データ数は2718枚あった。同数のサムネイルがあるので、単純計算では5436枚になる。参考のため、会員である埼玉きのこ研究会のHPを同一面積比率で円グラフ(d)にして掲載してみた。
 写真をメインとしたホームページを運営するということは、常に次の新しいプロバイダ利用を念頭においておかないとどうにもならないものらしい。ミラーサイトも入れると今現在316MB超となることが分かった。こんな計算をしていたらせっかくのデザートの味もどこかに飛んでいってしまった。早朝のひと仕事だった。

2002年2月6日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
 仕事先近くの大井町で保護林を歩いてみると、いたるところにタマキクラゲ(a, b)が発生している。先日の見沼ではようやく出て来たところだが、ここではすでに大量発生していた。エゴノキタケ(c, d)も新鮮な状態で幼菌から成菌までとてもよく目立つ。
 驚いたのが保護林内のアカマツが多数折れて倒れていたことだ。保護林内は倒木だらけになっていた。さらに直立して葉をつけているものにも、あちこちにヒトクチタケ(e〜h)の幼菌がついている。前年発生・成熟し胞子散布を終えた子実体の周辺や、それらの中から新たなヒトクチタケの幼菌が多数でていた。とても艶やかな色合いをみせてくれるが、それに反してアカマツの方は全く元気がない。

2002年2月5日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
 昨日採取したエノキタケとアラゲキクラゲを顕微鏡で覗いてみた。(a)はエノキタケのヒダ切片を100倍で見たものだ。画像中央付近を400倍で見ると(b)のように担子器が多数並んでいる姿がよくわかる。生のアラゲキクラゲから苦労して薄い切片を切り出して異型担子器を見たのが(c)だが、幾つも重なっていてわかりにくい。一つひとつは(d)のような形をしている。キクラゲ類を採取した折りは、必ず生の状態で切片をつくって担子器を観察するのだが、なかなか薄く切り出すのが難しい。乾燥させてから切り出すと比較的簡単に薄い切片を作れる。しかし、見慣れないと担子器を見分けるのが案外難しい。なお、これらのプレパラートはすべてフロキシンで染色してある。

2002年2月4日(月)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
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 仕事の合間にさいたま市の見沼地区を歩いてみた。相変わらずエノキタケ(a, b)、アラゲキクラゲ(c, d)はあちこちに姿をみせている。タマキクラゲ(e)が出てきた。これは1月半ばに川崎市で観察しているが、見沼で直接確認したのは今日がはじめてだった。(f)はまるでヒメキクラゲのようにみえるが、これもタマキクラゲだ。昨日の雨でたちまちヒトヨタケの仲間がいろいろ出ていた。(g)はクズヒトヨタケ近似種、(h)はネナガノヒトヨタケのようだ。

2002年2月3日()
 
(a)
(a)
 今日は埼玉きのこ研究会の「きのこ講演会」があった。テーマは冬虫夏草の形態学的観察、薬理効果や活性成分の探索といった内容で、講師には東京医科歯科大学の金城典子先生(a)をお呼びした。最近刊行された "Mycoscience Vol.42 Num.6 Dec.2001" には金城先生の撮影した冬虫夏草(Cordiceps sinensis)のみごとな写真が表紙を飾っている。金城先生は10日には千葉県立中央博物館で、16日には関西菌類談話会での講演が決まっており、このところ多忙な日程が続いている。スライドやOHPを使った講演、活発な質疑応答のあと、上尾駅前の飲み屋で懇親会をもって楽しいひとときを過ごした。講演会の様子などの詳細な内容は遠からず埼玉きのこ研究会のホームページに掲載されることだろう。

2002年2月2日()
 
 冬の季節は菌類の勉強にはもってこいの時期だ。恒例の科博の菌学講座も1月31日(木)から始まった。大学に菌学講座がない現在、唯一菌類について基本から応用までを系統だって学べる貴重なものだ。時間さえとれるならばこれに参加しない手はない。事前申込制だが顕微鏡実習を伴わないものであれば、当日直接でも受付けてもらえる。2/6(接合菌類)、2/7(小房子嚢菌類)、2/8(ハラタケ目)、2/13(不完全菌類)の講座は実習が伴うのですでに締め切られているが、その後の2/14(木)、2/15(金)の講座は講義のみゆえ当日参加も可能だ。日本菌学会の会報にも掲載されているが、会員の手元に届くのが遅すぎた。貴重な機会ゆえ、この場で2/14, 2/15両日のテーマと会場を紹介しておこう。

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平成13年度 自然史セミナー  菌類の多様性と分類(後期)

2/14系統分類学の最近の進歩(杉山純多)
菌類分子系統解析法:基礎と応用(小川裕由)
2/15故今関六也元日本菌学会長邸に保存されている菌類資料について(出川洋介)
日本の菌類標本・菌類分類学関連文献の保存場所及び保管状態とデータベース化(土居祥兌)

 会場  国立科学博物館分館(新宿区百人町3-23-1 TEL03-3364-2311)
 時間  10:00〜16:00
 照会先 菌学教育研究会事務局 布村公一 TEL042-343-6836

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