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2002年5月10日(金)
 
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 昨日の午後、きのこ屋(高橋)さんと一緒にさいたま市の秋ヶ瀬公園を歩いてみた。やはりきのこの姿はとても少ない。そんな中でキオキナタケ(a〜c)、オキナタケ(d, e)は幼菌から成菌、老菌まであちこちに見られた。ノウタケ(f)やアラゲカワキタケ(g〜j)も新鮮な姿をみせてくれた。アラゲカワキタケのヒダ(l)には先端にも側にも顕著な厚膜シスチジアが見られる。さいたま市の別の地区では再びハルシメジ(k)がでていた。脆弱で色も白っぽい。ウメフスフジフウセンタケもわずかに見られたが典型的な姿のものはほとんど無かった。アミスギタケ、キクラゲ、アラゲキクラゲもあちこちに多数見られた。

2002年5月9日(木)
 
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 早朝の見沼には常連のきのこばかりしかでていなかった。ツブエノシメジ(a)が顔を出し始めた。シロフクロタケ(b)、ウスベニイタチタケ(c)、アミスギタケ(d)、サンコタケ(e)、ハタケキノコ類似菌(f)などはあちこちに多数でている。ビロードヒトヨタケ(g)を始めザラエノヒトヨタケ(h, i)、ワタヒトヨタケ(j)などが出ている。他にも、ヒトヨタケ科のきのこ3〜4種、アラゲキクラゲ、キクラゲ、タマキクラゲ、ヒメキクラゲ、キオキナタケ、ハラタケ科のきのこ等がでていた。
 最近1日に6〜7件のウイルス付メールがやってくる。今月に入って既に50件を越えた。このページを見ている人の中に、本人が気づいていないままにウイルスにやられているケースがあるのではないか。特に目立つのがクレズ(KLEZ)とエルカーン(ELKERN)だ。クレズは破壊活動をするので危険度は高い。エルカーンの方は危険度は低いが、このウイルスを駆除するとの名目で、駆除ツールを騙った危険度の高いメールがしきりにやってくる。迂闊にファイルを開くとたちまち破壊活動が開始される。おまけに差出人として知人のメールアドレスを騙っている。これはきのこ関連掲示板の常連の中にこれらのウイルスに冒されていてそのことを気づいていない人が何人もいることの証(あかし)でもある。setup.exeとTOPIC2.HTMという添付ファイルを伴ったメールは決して開いてはならない危険なものだ。

2002年5月8日(水)
 
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 さる6日に栃木県真岡市にホオノキのキンカクキン(a〜c)を観察に行ってきた。井口 潔氏から赤みを帯びた子実体の話を聞いていたので、一度そういった子実体に出会ってみたいと思っていた。期待通りに多数のキンカクキンにであうことができた。この場所での結果は、100個に対して7,8個の割合で赤みを帯びたもの(a, b)があったが、多くは c のようにモクレンにつくキンカクキンと似たような色をしていた。
 周囲の落葉・落枝には微小な白いチャワンタケ(d)が無数についている。地面からもチャワンタケ類(e)がいくつかでているが、十分熟していないために同定作業は放棄した。落葉からは針のように細くて小さなヒメチシオタケ類似菌(f)も多数でていた。
 先に日光から持ち帰ったオオシャグマタケは未熟な個体ばかりだった。このため特徴的な胞子の姿はみられなかった。完熟個体をもちかえらなかったのは大きなミスだった。次回の定点観測の時までまだオオシャグマタケが残っていることを期待するしかあるまい。

2002年5月7日(火) [追補:メモ]
 
 手元で保存しておいたコナガエノアカカゴタケのサンプルを捨てるはめになった。今年の1/8、1/13、4/23に採取した十数個体だ。冷蔵庫に保管しておいたのだ が、油断していてカビにやられたり腐敗してしまっていた。やはり早めに博物館に入れるべきだった。
 久しぶりに千葉菌類談話会のホームページが更新された。旧年度の行事予定を 掲載したまま長いこと放置されていたけれど、これでとりあえずは一安心、あとは会誌「談話会通信」の到着をまつばかりだ。再びリンクページに千葉菌類談話会を復活させた。
 「八王子のきのこ」の「きのこノート」に「顕微鏡結像の理論−物体の微細構造が見えるためには−」が新たにアップされた。今回のテーマはやや難解だが、最後に「顕微鏡結像の理論を知り,実践がマッチすると像質が劇的に改善することがある。」という結語で結ばれている。光学専門書はつきものの数式が一切使われていないので、ていねいに読めば誰でも理解できそうだ。

2002年5月7日(火)
 
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 日光に定点観測に出向いた。全般的に最近の日光は雨不足で非常に乾燥している。したがってきのこの姿も比較的少なかった。それでも、オオシャグマタケ(a, b)の最盛期で、あちこちに多数みることができた。c は切断面。エツキクロコップタケ(d, e)が出ていた。切断する(f)とコップの中の真っ黒な部分がよくわかる。フクロシトネタケ類似菌(g, h)もあった。トガリアミガサタケ(i)やアミガサタケはこれからまだまだ多数でそうだ。クヌギタケの仲間(j, k)が美しいヒダを見せてくれた。エノキタケ(l)はすっかり乾燥してしまっているものが大部分だ。
 このほかにも出会ったきのこは十数種類あったがここでは割愛した。やはり終日カメラの不調に悩まされた。やっと連休も明けるので1台ずつ修理にだそう。戻ってくるまでにそれぞれ3週間以上かかるという。

2002年5月6日()
 
(a)
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(c)
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(d)
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(e)
(e)
(f)
(f)
 武蔵丘陵森林公園で採取したイグチはどうやらヌメリイグチだったようだ。胞子紋(a)をとった後、管孔部分から切片を作りミクロの観察遊びをした。なるべく薄い切片を作ろうと、最初はピスにはさんで切片(b)を切り出した。するとピスに挟まれたことによって管孔部分がややつぶれてしまった。おまけに少し厚すぎた。そこで、新品のカミソリを使いピスは使わずに、鉋で木材を薄く削る要領で軽く管孔をなぞった。うまいぐあいにすっきりした薄い切片(c)ができたので、これを材料にして倍率を上げていった(d〜f)。目的は胞子を伴った担子器を撮影することだったが結局みつけることができなかった。屋外のベンチなどでプレパラートを作ることが多いので、ふだんから実体鏡の下で切片を作る作業はあまりやらない。でも、きれいなよい切片をつくるにはやはり実体鏡の下で作業をするのが一番だろう。

2002年5月5日()
 
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 行楽客でごった返す武蔵丘陵森林公園を歩いてきた。全般的に乾燥しきっておりきのこの姿は非常に少ない。そんな中でナラタケ(a〜d)、マツオウジ(e, f)、イグチの仲間(g〜i)、ヌルデタケ(j, k)などが出ていた。久々にナラタケの味噌汁を食べた。
 ナラタケと書いたが正確な種名はわからないので、参考のためにツバ(c)と傘表面(d)を掲載しておくことにした。マツオウジはツバのないものだった。
 イグチ(g)は松混じりのコナラ林にでていたもので、湿ると傘表面には粘性がある。噛んでみると軽い辛みがあり、変色性はなく(i)肉はやや黄色味を帯びている。柄の基部も柄本体と同じような色をしている。胞子(l)のスケールは1メモリ1μmだ。柄にはツバの痕跡のようなものもあるので、単純にヌメリイグチとしてよいのだろうか。明日にでもミクロ的な観察をしてみよう。いずれにせよイグチが発生する季節がやってきた。

2002年5月4日()
 
(a)
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(c)
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(d)
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(e)
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 調布市の野川公園、新宿区の神宮外苑を歩いてきた。例年ゴールデンウイークの時期、野川公園では多数のアミガサタケ(a, b)が最盛期を迎える。しかし今年はほとんど終わってしまいわずかに10本くらい出ているだけだった。他にはイタチタケ、キクラゲ、チャツムタケなどが出ていた。野川公園から千駄ヶ谷の神宮外苑に向かった。10日ほど前(4/22)に神宮球場のスダジイに出ていたカンゾウタケ(e)の成長を見たかったからだ。幸いにも誰にも採取されずに成長していた(c, d)。4/22はゴルフボール程度だったが、この間に径15cmほどにまで成長していた。この大きさにまで育つと誰かに採られるのは時間の問題だから、多分これが見納めになることだろう。
 昨日の雑記[その2]で取り上げたムジナタケに似た姿の小さなきのこだが、手元の資料("Dir Gattung Inocybe in Bayern von J.Stangl)からアセタケの仲間(Inocybe)らしいことはわかるのだが、ていねいに読もうとして難儀してしまった。コンパクト版独和辞書ではお手上げなのだ。やはり、いま少し豊富に語彙を掲載しているドイツ語の辞書を購入しなくてはならないのだろうか。

2002年5月3日()
[その2] 
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(c)
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(n)
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(o)
(o)
(p)
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ムジナタケに似た
姿の小さなきのこ
 昨日さいたま市の見沼地区で、ムジナタケによく似た小さなきのこ(a)を見た。観察結果の文字による詳細な記述は避けて、ここでは写真を主体に列挙し よう。
 発生していたのは公園の芝地で、広葉樹灌木の根元とその周辺。大きさ(c) は背丈30〜35mm、傘径12〜22mm、傘の深さ8〜10mm、柄の径4〜6mmほどの小さなもので、 ヒダ(b)は比較的厚みがある。柄(d)はツバをもたず表面はややささくれた繊維状で、内部は中実(e)で、根元は白色で細い菌糸をつける。傘表面(f)は小さな繊維状/粒状鱗片に被 われ粘性はない。胞子紋(g)は暗褐色をしている。
 ヒダ切片(h, n)を作り顕微鏡で 観察すると、ヒダ菌糸は平行型、側シスチジア(i)、縁シスチジア(j)、担子器(k, o)、傘表皮直下の構造(p)や、胞子(l)などからみると、明らかにムジナタケとは違う。菌糸にはクランプ(m)があり、胞子表面は平滑で、サイズも7〜8×4.5〜5.5μmとムジナタケよりも一回り小さい。
 試薬による観察はやっていないが、どうやら現時点ではナヨタケ属ではなさそうだが、手元の検索表類からはみつけられなかった。そんなわけで、今の自分たちの知識からはこのきのこの素性を突き止められなかった。

2002年5月3日()
 
(a)
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 見沼では恵みの雨の後、急にいろいろなきのこが顔を出してきた。ようやくサンコタケ(a)などの腹菌類も出始めた。そのすぐ脇には小さなアミスギタケ(b)がでている。ウッドチップからはワタヒトヨタケ(c, d)、ビロードヒトヨタケ(e, f)、ネナガノヒトヨタケを始め4,5種類のヒトヨタケ科のきのこがみられる。ワタヒトヨタケの幼菌(c)はまさにその名の通り綿に包まれたような姿をしている。
 他にもキオキナタケ(g, h)、オキナタケ(i)、シロフクロタケ(j, k)、ハタケキノコ(l)、ツバナシフミズキタケ、アラゲキクラゲ、キクラゲが多数見られる。特にシロフクロタケの群落があちこちに出ておりみごとだった。
 見沼地区の桑樹下はすっかり草が深く覆いしげってしまい、今年はキツネノヤリタケはもはや出そうもない。キツネノワンの発生も今年は特に少なかった。一方、川口市ではキツネノワンはかなりでたが、キツネノヤリタケはまだ見ていない。どうも今年は発生しないのではあるまいか。

2002年5月2日(木)
 
(a)
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 やっと雨が降ったので早朝の暗いうちにさいたま市の秋ヶ瀬公園に行ってみた。キオキナタケ(a〜d)、オキナタケ(j, k)、キクラゲ、アラゲキクラゲ、ヒメキクラゲ、タマキクラゲ、ツバナシフミズキタケ、ヒメヒガサヒトヨタケ、ネナガノヒトヨタケなどがでていた。キオキナタケの若い菌の柄(d)にはきれいなササクレがある。(e)はキオキナタケの胞子紋だが、オキナタケの胞子紋もほとんど同じで、それだけみると全く区別できない。
 キオキナタケのヒダ切片(f)をつくり、その縁を覗く(g)と担子器や丸っころい側シスチジアが見える。ヒダを半分に剥がして担子器を立体的に上から覗くと(h)のように見えた。胞子(i)は12〜15×7.5〜9μm。
 オキナタケも同様に顕微鏡で覗いてみた(l)が、ほとんどキオキナタケと同じで、ミクロ的にはこの両者の判定はほとんどできない。ちなみに胞子は11〜14×7〜9μmほどで、これもキオキナタケのそれとあまり差異はない。両者ともとてももろいヒダをしており切片を作るのに難儀した。今日はおもしろ半分にヒダを2枚に薄く剥がして、(h)のように4胞子を付けた担子器群を上から覗いて遊んでしまった。これから朝食だ。

2002年5月1日(水)
 
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 川口市の梅林はマンションや駐車場に化けてしまい、かなり少なくなった。でも、まだハルシメジ(a)、アミスギタケ(b)、ウメウスフジフウセンタケ(c)、キクラゲなどが出ている。d はウメウスフジフウセンタケの胞子紋だ。
 見沼地区ではシロフクロタケ(e, f)が何ヶ所かに見られた。コキララタケ(g, h)は意外と成長が遅い。期待の腹菌類はまだ顔をだしていない。ヒトヨタケ科のきのこ、ウスベニイタチタケ、ツバナシフミズキタケなどは相変わらずあちこちにでている。
 「八王子のきのこ」の奥 修氏が「きのこノート」に「顕微鏡撮影における照明法−ケーラー照明の実際」をアップされた。市販の顕微鏡関連の書籍からは得られない貴重な情報が掲載されている。奥氏は私の顕微鏡の師匠だが、いつになっても腕を上げないことに少しいらついているかもしれない。ケーラー照明についてはわかっていたつもりだったが、これを読んでみると、少しもわかっていなかったことを悟らさせられた。

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